住まいの実例100Life
木造一戸建て
Lagom Hut
多すぎず、少なすぎず、丁度良い暮らし
- 建物名:
- 木造一戸建て
- 場 所:
- ソーラータウン八国山
- 住い手:
- D様(ご夫婦+お子様2人)
Life
今回ご紹介するのは、あいばの分譲地『ソーラータウン八国山』に家族4人で暮らすD邸。テーマとなっているLagom(ラーゴム)はスウェーデン語で「多すぎず、少なすぎず、丁度いい」といった意味で、Hutは「小屋」。車やテレビを持たず、調理家電も最低限で暮らすD様にとっての「丁度いい」を追求した住まいです。
緑豊かなタウンの暮らし
駐車場が想定されていた土地を小林賢二さん造園の庭に。シンボルツリーとなるモミジはタウン随一の高さを誇ります。タウンの真ん中に位置するこの庭によって、まち全体がより自然豊かな印象に。
タウン内には娘さんと同年代の子どもたちが多く、一緒に庭で遊ぶこともあるのだそうです。「家から駅までの道のりも自然豊か。川も流れているので、季節の移ろいを感じながら通勤を楽しんでいます」とご主人。“自分たちにとって本当に必要なもの”を大切にされているD様の暮らしをご紹介します。
デザイナーズ家具が彩る勾配天井の空間
Hans J Wegnerの椅子やLouis Poulsenの照明など、趣味でたくさんのデザイナーズ家具をお持ちのD様。マンションに暮らしていた頃から使っていたテーブルや椅子、ランプなどをそのまま使う予定で設計を依頼されました。空間に置くものがある程度決まっていたので暮らしのイメージが湧きやすく、設計もスムーズに進行したそう。ご主人様のお気に入りという籠り感のある勾配天井のリビングはデザイナーズ家具とも相性抜群です。
日が出ている時間帯は天窓からの陽の光が勾配天井の空間を優しく包みます。リビング・ダイニング共に、部屋の各所にスタンドライトを配置することで空間の広がりを感じさせ、落ち着いた雰囲気を演出。一見低めに思えるダイニングの窓は、椅子に座ると目線の高さに。景色がまるで絵画のように暮らしを彩ります。窓から見えるモミジや国産家具と、北欧家具の調和によって和と北欧の雰囲気を掛け合わせたような空間になりました。
手入れをしながら永く使う。もの選びの基準は、家も道具も同じ
整えられたキッチンには手入れが行き届いた道具が並びます。その中にはご飯を炊く鉄釜やお櫃、南部鉄器の鉄瓶など日本で昔から使われてきた道具も。あえてアナログな道具を使う理由を伺うと、「ものを選ぶ時はできるだけ自分でメンテナンスできて永く使えるかどうか考えるようにしています」と奥様。炊いたお米をお櫃にいれておくと2日、3日保存できるというのだから驚きです。
お風呂や洗面脱衣所も木の空間。広いスペースを確保するためにトイレは個室にせずに洗面所と一体の計画になりました。「子どもが小さいこともあり広くて想像以上に使いやすかったです。」と奥様。
サワラ板張りのお風呂は、入浴後に乾拭きで水滴を拭き取り、換気しているだけで、特別なメンテナンスはせずとも美しく保たれています。
1階は寝室やWICと、将来的に子ども部屋として仕切る予定という広い空間。ずっと住み続ける家だからこそ子どもの成長に合わせられる余白のある計画にしました。そういった壁の取り付けや日々のメンテナンスも相羽建設で承ります。
この家に住み始めて約1年半。郊外暮らしが肌に合い、都会の暮らしには戻れないと言います。住む環境や家、家具や道具に至るまで、ご夫婦の価値観で納得するものを選び大切にされているD様の暮らしぶりをご紹介しました。
2022年竣工 延床27坪
設計:中村健一郎
施工:相羽建設
造園:KOBAYASHI KENJI ATELIER
取材・編集:伊藤夕歩・中村桃子(相羽建設)