住まいの実例100Life
木造一戸建て
薪ストーブのある暮らし
建築家 島田貴史さんとつくる住まい「ミズニワハウス」
- 建物名:
- 木造一戸建て(建築家と建てる家)
- 場 所:
- 埼玉県ふじみ野市
- 住い手:
- 遠藤邸(ご夫婦+お子様3人)
Life
今回は家を建替えて2年が経過した、相羽建設営業部、遠藤の自宅「ミズニワハウス」をご紹介します。
2004年から綴られている彼のブログ「my家your家」を覗くと、以前の家での愉しい暮らしぶりと愛着が伝わってきます。
彼は、2011年の東日本大震災をきっかけに建替えを考えはじめたそうです。
新居には、以前の家の気持ち良いスペースが受け継がれるとともに、家族で愉しむ要素がたくさん詰め込まれ、世界に二つとないこだわりの家づくりになりました。
家づくりストーリー
私の住んでいる家は祖父が45年ほど前に建てた家です。小学2年生の夏、祖父母の住むこの家に引っ越してきました。両親と弟と私、合わせて6人の暮らしが始まりました。私の幼少期の記憶にはずっとこの家があります。いろいろな思い出が詰まったとてもほっとする空間です。
でも、そろそろ不具合も多くなってきています。家が傾いていたり、設備類の交換の頻度も上がってきたり、子たちのスペースがなかったり。夏は焼けた屋根瓦の熱気で暑く、冬は外気と同じくらいまで冷えてしまう。灯油を週に3缶も消費してしまうのに、納戸のビールは冷蔵庫より冷えている。それでも絶対的な安心感があること、それと背負っている歴史の大きさに対する畏敬の念から建替えることを進めることはありませんでした。しかし、構造的な不安を目の当たりにしている今、この家を建替える決断をしました。古き良きものへの想いを忘れずに、今いる家族のために計画を進めていきます。
↑遠藤のブログ「my家 your家」2011年6月より抜粋~家を建てようと思います~
たくさんの出会いをつめこんで
建築士の資格も持っている彼ですが、自分の家となると、客観的に設計するのは難しいと考えました。そこで相羽建設とつながる建築家、しまだ設計室の島田さんに依頼することに。
この家の1番のみどころは、陽がたっぷり入る吹き抜けのダイニングスペース。その傍らに薪ストーブ、揺れるカーテンの先には水庭が拡がります。将来、南側の隣地に建物が迫っても心地よさが確保できるよう、窓の配置に少し角度がつけてあります。また、キッチンにはアイアン素材のカウンター天板と手元の目隠し。定期的なオイルでのメンテナンスで、素材の深い味わいが増してきます。
多くのお客様と出会い、家づくりをサポートしてきた遠藤。自らの家では、これまでの仕事で知り得た、こだわりの材料や製品がたくさん使用されています。また、今後のお客さまの住まいにも活かせるよう、新しい材料や実験的な試みも盛り込まれた、みどころ満載の家づくりになっています。
住まいの見どころ紹介
『薪ストーブを楽しむ』
「お客さまの家で実際に見て魅力にハマった」という薪ストーブ。子どもたちが森で集めてきた松ぼっくりを着火剤にして火を点け、温度が上がってくると、ストーブ本体の赤い色が濃く変化します。「ピザ・焼きリンゴ・ホイル焼、おでんの保温で使ったりもできますよ」と奥さま。
薪ストーブのある生活になり、薪割りは男の趣味のひとつに。庭に設置した薪棚には3年先に使う薪まで乾燥されながら出番を待っています。
『ミズニワ』
「ミズニワハウス」という名前の由来はこちら。敷地の南西角に設けられた水盤。
水の揺らめきが反射してダイニングの天井に映り込む様はとても贅沢です。夏はデッキとミズニワでBBQやお酒を楽しんだり、水を張った水盤に足を入れればひんやり夕涼みもできます。
『洗面浴室』
男女のお子さんのいる遠藤家では、洗面室と脱衣室を分けて計画。廊下に面した洗面室は3人並んで支度ができる広いスペース。浴室は相羽建設の施工ではめずらしい琺瑯の浴槽と十和田石を採用した、まさに温泉宿のような仕上がり。「OMソーラーの効果が及ばないつくりだから、冬場は足元が寒いけどね…」と。
建物・空間紹介
Movie
水庭と薪ストーブ、家族の時間を楽しむ「ミズニワハウス」の暮らし|しまだ設計室×相羽建設
家族が暮らす家に、美しい水面が眺められる水盤をつくりたい!そんな一言から計画がスタートした「ミズニワハウス」。陽がたっぷり入る吹き抜けのあるダイニングスペースには、暮らしを楽しくする薪ストーブ、揺れるカーテンの先には家族の思い出の場となった水庭が広がります。
住まい手である遠藤さんは、相羽建設のスタッフとして多くのお客様と出会い、家づくりや不動産のサポートをしてきました。自らの家づくりにあたり設計をしまだ設計室の島田貴史さんに依頼し、それまでの仕事で知り得たこだわりの素材や、尊敬するつくり手の方々との協働にも意欲的に取り組んでいます。築10年の中で、家族の暮らしの器として愛着を深め味わいを増したミズニワハウス。ぜひ動画でご覧ください!
取材後記
今回の特集だけでは伝えきれない程、見どころがたくさん詰まった家。新たな家での生活も思い切り愉しんでいる遠藤は、担当のお客様を自宅に招くこともしばしば。「興味ある方はいつでもご案内しますよ!」とのことです。ブログ『my家your家』のカテゴリー『my家づくり』でも熱い想い、暮らしを愉しむ様子を覗くことが出来ます。
(記:広報 河野)
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