住まいの実例100Life
団地リフォーム
住まい心地を見つめ直す こだわりの団地リノベ
築40年近い団地のフルリノベーション。心地良い自然素材を選択し、様々なアンティークともよく合う空間へと生まれ変わりました。
- 建物名:
- 団地リフォーム
- 場 所:
- 埼玉県所沢市
- 住い手:
- T邸(ご夫婦2人)
Life
今回は団地リノベーション。長く暮らしてきたからこそのこだわりを細部に反映させた暮らしや住まいの見どころを伺いました。
団地の魅力を活かしながら暮らし方を考える機会に
今回ご紹介するのは、25年住まわれている団地をリノベーションされたT様邸。「せっかく相羽建設にお願いするなら、他ではできない良質な素材を使った部屋に」と、こだわり屋のT様ご夫妻ならではの空間に。リビングの壁に薩摩中霧島の左官仕上げを施したことで、「部屋の空気の質がよくなりました。料理をしてこもった空気も朝起きると感じないんです」と奥様。素材の良さを感じながら住まわれています。床材にはナラを使用するなど、ビンテージ家具とも相性の良い自然の風合いが加わりました。駅から近いことや、管理人が毎日手入れしてくれる四季の樹々が、団地の魅力だそう。長年暮らしてきたからこそのこだわりを、細部に反映させた暮らしや住まいの見どころを伺いました。
リノベーションのきっかけはキッチン
お料理上手な奥様の一番のこだわりはキッチン。この先永く使えるよう、全ての収納を手の届く場所に配置し、空間にもゆとりを。冷蔵庫の奥行きと合わせた大きなカウンターでは料理をしたり、コーヒーを淹れるほか、羊毛作家として活動されている奥様の制作場所として使うこともあるそう。主婦目線で考えられたキッチンは、すっかり奥様の「居場所」になっているご様子でした。
器や道具にも一つ一つこだわりの使い方やエピソードが。奥様の“ものを見る眼”がT邸のリノベーションに存分に発揮されています。それが際立っているのが収納。キッチンの収納は、奥まで手が届くように引き出しを多く採用しています。たくさんあったキッチンツールもリノベーションを機に整理されたそうで、残っているものは精鋭ばかり。「キッチンをこだわっているうちに、そのほかの場所もどんどんアイディアが浮かんでしまって。設計の中村薫さんにはその都度的確なレスポンスをいただけて、安心してお話を進めることができました」と奥様。押し入れを無くして空間を広げた分、少しでも収納を増やしたかったのだとか。工事後も造作の収納を依頼していただいたり、リノベーションを機に住まい方を考えるようになったと、楽しそうにお話ししてくださいました。
秘密基地のような書斎
LDKの奥にはご主人の書斎が。足元にはワインセラーも完備されていて、好きなものに囲まれた空間はまるで秘密基地のよう。あいばのリフォームとメンテナンスの拠点である、あいばこで見かけた扉を気に入ってくださり採用しました。開けている時も綺麗に収まり、低めの扉によってダイニングと書斎を緩やかに仕切ることができます。
お部屋全体の照明計画はご主人が担当。天井にダクトレールを設置して気軽にライティングが調整できるようになりました。ご夫妻が集めてきた、個性的な照明が空間を彩ります。
羊毛作家のアトリエ
ナラの床材を気に入られ、寝室と奥様のアトリエにも、リビングとの段差を解消して床張りを行いました。あいばのイベントでワークショップの講師も担ってくださる奥様の仕事場には、羊毛素材やたくさんの本が並びます。住まい手でありスタッフの布施さんとは20年来の作家仲間。「布施さんがお家を建てた工務店なら」と、お二人の信頼関係からあいばを選んでいただきました。
取材後記
個人的に団地と聞いて思い浮かべるのはジブリの「耳をすませば」。どこかロマンチックなイメージがあり、ワクワクしながらお家に伺いました。お部屋のどこを見てもご夫妻のこだわりの品が。どれもエピソードのあるものばかりで丁寧に説明していただき、とても印象的でした。昨年もあいばの会員制サロンa-sokoを活用していただきましたが、今年も奥様の羊毛フェルトを使ったワークショップを予定しています。(写真はa-sokoでのフェルトWSの様子)