住まいの実例100Life

窓がそれぞれの暮らしを彩る 二世帯住宅

二世帯住宅

窓がそれぞれの暮らしを彩る 二世帯住宅

東京郊外の緑が豊かな地域での二世帯住宅

建物名:
木造2階建て
場 所:
東京都東村山市
住い手:
A邸(ご夫婦2人+娘さまご夫婦・お子様2人)

Life

黄色い電車が通り過ぎると聞こえてくる小鳥達のさえずり。高台の閑静な住宅街の中ですっと視界がひらけたと思えば、小さな公園に大きな樹木が青々とした葉を広げ佇む。その公園のお隣に建つのが今回ご紹介するA様邸です。

「子ども、孫と永く住める、ほっとするお家に」

”理想の郊外暮らし”を絵に描いたようなロケーション。ご家族満場一致で即決だったそうです。
もともとは東久留米市にお住まいだったA様。「家を考えはじめたのは子ども達が独立してから。のどかな田舎暮らしにずっと憧れていたのですが、いざ真剣に考えはじめたら、”子どもとの同居もいいかも・・・”と思い始めて」とA様ご夫婦。そこで娘さまご家族に相談され、娘さまご夫婦の職場なども考慮し、”東京郊外の緑が豊かな地域での二世帯住宅”という選択をされました。

隣が市の公園ということで、隣接して家が建つ心配も少なく、視界が開けることが一番の決め手になったそう。落ち着いた色味のそとん壁に鮮やかな木製窓が目を引きます。
隣が市の公園ということで、隣接して家が建つ心配も少なく、視界が開けることが一番の決め手になったそう。落ち着いた色味のそとん壁に鮮やかな木製窓が目を引きます。
1階の引き込み木製窓。高台で視界がひらけ、室内にいながら庭と空がみえます。
1階の引き込み木製窓。高台で視界がひらけ、室内にいながら庭と空がみえます。
「雑木林を歩いているようなイメージ(奥様)」というお庭は、DIYでゆっくりと整えていき、今ではまるでプロがしつらえたような佇まいに。
「雑木林を歩いているようなイメージ(奥様)」というお庭は、DIYでゆっくりと整えていき、今ではまるでプロがしつらえたような佇まいに。
道路側は開口を絞って、シンプルに。 玄関は各世帯ごとに分けられており、2つ並んだ木製扉が可愛らしい外観です。
道路側は開口を絞って、シンプルに。 玄関は各世帯ごとに分けられており、2つ並んだ木製扉が可愛らしい外観です。

「永く住める、ほっと落ち着く家ができて本当によかったです」と笑顔のA様。
二世帯それぞれの住まいの見どころや住み心地を伺いました。

【1階・親世帯】窓の外を眺めて過ごす時間が幸せ

1階の親世帯のお住まいは、まるで山あいの別荘のような落ち着いた雰囲気。4年の時を経て少し深みを増した無垢の床と、薩摩中霧島壁の落ち着いた色味に窓の外の樹々の緑が一層映えます。

南、東面に配置された3つの大きな木製の引き込み窓は緑を切り取る額縁のよう。公園の樹木、庭、隣家の借景、それぞれが違った表情の緑を映し出します。
南、東面に配置された3つの大きな木製の引き込み窓は緑を切り取る額縁のよう。公園の樹木、庭、隣家の借景、それぞれが違った表情の緑を映し出します。

家づくりでA様が希望したのは「若い設計者に頼みたい」ということでした。古風な造りではなく、新しい視点で空間を作って欲しいという想いを受け、設計を担当した中村がこだわったのが、木製引き込み窓でした。「予算も考えて、”引違いのサッシでいいかも”なんて話したんですが、”ここだけは譲れないです”と言われて(笑)。でも信じて大正解!この大きな窓からの景色を眺めながら過ごす時間一番が幸せです。真ん中に桟があったら景色もだいぶ違ってましたよね(A様)」と笑顔で語ってくださいました。

インテリアのアイテムは長年大事に使われてきたもの。どれもこの空間にマッチしています。ダイニングの照明は倉敷ガラスの作家さんにオーダーしたそう。
インテリアのアイテムは長年大事に使われてきたもの。どれもこの空間にマッチしています。ダイニングの照明は倉敷ガラスの作家さんにオーダーしたそう。
壁側の本棚にはお子様が小さい時から集めた絵本がいっぱい。今はお孫さんたちへ読み聞かせをしています。
壁側の本棚にはお子様が小さい時から集めた絵本がいっぱい。今はお孫さんたちへ読み聞かせをしています。
キッチンは「自分の世界」と語る奥様。広すぎず、落ち着く空間です。ダイニングとの間には可愛い小窓が。
キッチンは「自分の世界」と語る奥様。広すぎず、落ち着く空間です。ダイニングとの間には可愛い小窓が。
ダイニングとリビングの間にはカーテンを設置。来客時や集中したい時に空間を仕切るのに重宝しているのだそう。
ダイニングとリビングの間にはカーテンを設置。来客時や集中したい時に空間を仕切るのに重宝しているのだそう。
ご主人のリモートワークのスペース。こちらも南側からたっぷりと陽が入り、明るく気持ちがいい空間です。
ご主人のリモートワークのスペース。こちらも南側からたっぷりと陽が入り、明るく気持ちがいい空間です。

【2階・子世帯】たっぷり陽が差す子世帯のスペース

高台の立地から、マンションの最上階にいるかのような眺望の良さの2階。どの空間にもたっぷり陽が差し込み、”明るく、快活”なイメージの空間で、落ち着いた1階との対比が面白いです。

2階の壁は光を優しく反射する月桃紙を使用。リビングに繋がるバルコニーは天気のいい日にご飯を食べたり、アウトドアリビングとして活用。
2階の壁は光を優しく反射する月桃紙を使用。リビングに繋がるバルコニーは天気のいい日にご飯を食べたり、アウトドアリビングとして活用。

「やはり、窓からの景色が気に入っています。街の景色や、夜には月がみえて気持ちがいいです。八国山緑地や狭山公園など子どもと思いっきり遊べる場所が近くにあるのもいいですね」と娘さま。家の中でも外でも、自然豊かな環境を満喫しています。

2階ダイニングの窓からは公園の大きな樹木と、その向こうに東村山の街並みが一望できます。公園の樹に訪れる鳥を観察したり、大きなセミの声がしたり、日常の中で小さな自然に触れ合えます。
2階ダイニングの窓からは公園の大きな樹木と、その向こうに東村山の街並みが一望できます。公園の樹に訪れる鳥を観察したり、大きなセミの声がしたり、日常の中で小さな自然に触れ合えます。
リビング横の空間は「ゴロンと寝転がったり、畳の感触も感じて欲しい」と和室に。娘さまが小さい頃から大事にしてきたおもちゃもたくさん。
リビング横の空間は「ゴロンと寝転がったり、畳の感触も感じて欲しい」と和室に。娘さまが小さい頃から大事にしてきたおもちゃもたくさん。
娘さまのご主人の書斎。膨大な書物に囲まれた籠った空間に、小窓から光が差し込む様子はまるで物語の1シーンのようです。
娘さまのご主人の書斎。膨大な書物に囲まれた籠った空間に、小窓から光が差し込む様子はまるで物語の1シーンのようです。
1階はIHコンロですが、2階はガスコンロ。「子どもに”火”というものを伝えたくて」と娘さま。
1階はIHコンロですが、2階はガスコンロ。「子どもに”火”というものを伝えたくて」と娘さま。
2階は全体が見渡せるオープンキッチンに。窓からの空、緑、街の景色が気持ちいいです。
2階は全体が見渡せるオープンキッチンに。窓からの空、緑、街の景色が気持ちいいです。

「緑が多い場所がいい」。家族皆が同じ想いを持ち、窓からの景色を共有しながら、それぞれの暮らしを楽しむ──。郊外ならではの素敵な二世帯住宅です。

設計:相羽建設(中村 健一郎)
施工:相羽建設
撮影取材・編集:中村 健一郎・伊藤 夕歩 ・中村 桃子・猪股 恵利子

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