住まいの実例100Life

あいばこリノベーション

店舗

あいばこリノベーション

暮らすように楽しく働く

建物名:
あいばこ
場 所:
東京都東村山市

Life

13年前、相羽建設のメンテナンス・リフォームのショールームとして、またワークショップやイベントを開催し、地域に開く拠点としてオープンした「あいばこ」。
わずか5名のスタッフで手探りでスタートし、“少しでも相羽建設のリフォームを知ってもらえたら”という気持ちもありましたが、何よりも地域の方に親しんでもらえたら、気持ちがわくわくする場所になればと、住まいのことだけでなく料理、裁縫、マルシェ・・・と、『暮らしを楽しむ場』として様々なイベントをおこなってきました。
2020年からのコロナ禍。イベント開催がままならず、またスタッフの人数が倍以上に増えたことで、『働く場』としての機能が大きくなっていったあいばこ。それまでの“外側”から少し“内側”に目を向けて、『暮らしを楽しむ場』から、『暮らすように楽しく働く場』へ、転換を考え始めました。
当時あいばこの空間デザインを手がけていただいた家具デザイナーの小泉誠さんに改めて設計を相談し、中村薫さんを中心としたスタッフ全員でつくり上げた『自分達の働く場』。構想から約3年の2024年6月、ついに完成に至りました。

「くらしごと」 暮らしの一環として、仕事・働くことがある

エントランスから「みんなのスペース」を望む。フローリングだけでもサワラ、赤松、山桜、杉と4つの樹種を使用。自分達で体感することで、お客様にもご提案しやすく。
エントランスから「みんなのスペース」を望む。フローリングだけでもサワラ、赤松、山桜、杉と4つの樹種を使用。自分達で体感することで、お客様にもご提案しやすく。
キッチンのバックカウンターはひとつながりで、境目なく使えるフリーアドレスのデスクに。メラミン化粧板仕上げで傷にも強い。
キッチンのバックカウンターはひとつながりで、境目なく使えるフリーアドレスのデスクに。メラミン化粧板仕上げで傷にも強い。
以前の面影を残した打ち合わせ室。窓ベンチや椅子・テーブルは既存のもので、床は畳から絨毯に、壁は湯布珪藻土に。
以前の面影を残した打ち合わせ室。窓ベンチや椅子・テーブルは既存のもので、床は畳から絨毯に、壁は湯布珪藻土に。

今回のあいばこ改修コンセプトの一つとして掲げた言葉が「くらしごと」です。
家は暮らす場所、職場は働く場所と分けるのではなく、「暮らし」の一環として「仕事・働くこと」がある。暮らしているように自然体で働けること、それが「くらしごと」の考え方です。職場に家のような空間をつくることで、リラックスした気持ちでコミュニケーションができる。また逆に家の中に集中できる居場所をつくることで、住む・働くのオンオフを切り替えられる。「くらしごと」を取り入れることは、働き方の選択肢を増やし豊かな生き方への実現につながります。
四季折々の表情を見せてくれる木々やハーブが摘める庭があり、対面のオープンキッチンで調理し、大テーブルを囲んでわいわい食事する。さて仕事、と個室やブースに籠る人もいれば、そのままそこで作業する人も。新しいあいばこには家のような空間・場面がたくさんみられます。

「みんなのデスク」の天板は針葉樹と広葉樹の組み合わせ。
「みんなのデスク」の天板は針葉樹と広葉樹の組み合わせ。
3つ並んだデスクスペース。照明は看板用の外部照明を採用。
3つ並んだデスクスペース。照明は看板用の外部照明を採用。
カタログ書架には立って閲覧や仕事ができるスペースも。
カタログ書架には立って閲覧や仕事ができるスペースも。

【仕事と暮らし、ONとOFFという関係をボーダレスに、「仕事をする」と「楽しい」が一緒にあることを大切にしていこう】 様々な人が働く職場で、本質的な意味でこのスタイルを実践するのは直ぐには難しいかもしれません。しかし様々な人がいるからこそ、互いを尊重できる働き方の模索と、社内外とを繋ぐ仕事の作り方などを、時間をかけて小泉誠さんとスタッフで話し合いを重ねて計画を進めてきました。

リモート会議用の個室も。集中して作業したいときに◎
リモート会議用の個室も。集中して作業したいときに◎
その日の仕事内容によって、スタッフが思い思いの場所で働けます。
その日の仕事内容によって、スタッフが思い思いの場所で働けます。

つながる人と共に学び、共に働く場に

造園・エントランスの敷石は造園家・小林賢二さんのデザイン。「リノベでもこんな提案ができるのか」と様々な可能性を感じさせてくれます。
造園・エントランスの敷石は造園家・小林賢二さんのデザイン。「リノベでもこんな提案ができるのか」と様々な可能性を感じさせてくれます。

新しいあいばこのもうひとつの試みが「共感し共に深める場づくり」です。家とは?というところから、デザインや仕様、性能や庭などについて定期的に講座を開催し、お客様だけでなく、プロや施工者もスタッフと【共に学ぶ場】をつくってみたいと考えています。
またスタッフの中村薫さんは「コロナ禍の在宅勤務を経て、膨大なカタログやサンプルを個人で管理するのはとても大変だと身に染みて感じました。新しいあいばこでは設計者、施工者にもライブラリーや打ち合わせ室を解放し、【共に働く場】としても使っていただき、仕事でつながる人が増えていけば嬉しいです」と今後の展望を語ってくださいました。

ハーブガーデンはGROWGREENの伊藤さんのワークショップ参加者と一緒に植栽
ハーブガーデンはGROWGREENの伊藤さんのワークショップ参加者と一緒に植栽
椅子の張地はスタッフで相談して決めました
椅子の張地はスタッフで相談して決めました
小林賢二さん自ら、一つひとつ石を配置していきます
小林賢二さん自ら、一つひとつ石を配置していきます
こいずみ道具店に見学へ
こいずみ道具店に見学へ
before
before
解体後
解体後
after
after
夕景のエントランス。見学希望の方は事前のご予約をお願いいたします。
夕景のエントランス。見学希望の方は事前のご予約をお願いいたします。

「自分たちの新しい働く場をつくるということは、物理的な環境をつくるだけでなく、意識や心意気もリノベーションする必要がある」と小泉誠さん。 場所と共に人も成長するよう、何より自分たちがこの場を楽しみ、使いこなし、その姿に共感してもらうという意識を大切にしながら、『あいばこらしい職場』を育んでいきたいと思います。

PLAN

●設計概要
設計:Koizumi Studio・相羽建設
施工:相羽建設株式会社
造園・エントランス:Kobayashi Kenji atelier
ハーブガーデン:GROW GREEN
撮影:Nacása & Partners Inc.
施工写真・編集:相羽建設株式会社
●仕上
壁:湯布珪藻土、フランス漆喰、クロス、塗装月桃紙、タイル、フローリング(杉、赤松)、杉荒板
床:フローリング(赤松、山桜、さわら、杉)、タイルカーペット、ビニル床シート
天井:塗装、月桃紙

戻る

関連リンク

AIBA 100 Story

PAGE TOP