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「まちづくり」は「関係づくり」

工務店の人

「まちづくり」は「関係づくり」

知識と実践を学んだ4年間

話し手:
相羽建設株式会社 メンテナンス・リフォーム部
大竹あすみさん
場 所:
あいばこ

People

大学入学とともに、相羽建設の「あいばこ」にアルバイトとして入社した大竹さん。同社を知ったのは、彼女が中学時代に学校教育の一環として行われた、2日間の職場体験だったという。

相羽建設を知ったきっかけは、中学時代の職場体験

「建築に興味を持ったのは、小さい頃に遊んだシルバニアファミリーや中学生になってインテリアが好きだったことがきっかけでした。それで、職場体験では相羽建設を選んで。思えばその頃から”建築をやりたい”という気持ちは変わらず、今につながっていていると思います」と話す。

あいばこで仕事をする大竹さん
あいばこで仕事をする大竹さん

仕事を通して学んだ「人との関わり方」

「あいばこ」は、相羽建設のメンテナンス・リフォーム部の拠点であるモデルルームだ。
仕事内容は、見学に来たお客様の対応はもちろん、地域の作家さんによるイベント開催のフォローや、ブログやイベント情報の発信など多岐に渡った。多様な年代の人と交流する機会も多く、学生の大竹さんからすると、なかなか相手の価値観にピンとこなかったり、大学で勉強していることと実際の仕事で使うことは全然違ったり、というギャップや学びがたくさんあったそうだ。
その中でも大竹さんが一番経験になったと感じたのが「人(お客様やスタッフ)との関わり方」だったという。

「お客様にとっては私が最初の窓口になることが多いので、第一印象をすごく大事にしました。表情は明るく、説明するときはわかりやすく簡潔に。ヒアリングの際は相手に寄り添った話し方を心がけました。今後社会人として活動する上でも、このスキルは身につけられて良かったと思います。」

お客様の雰囲気に合わせた接客
お客様の雰囲気に合わせた接客

「まちづくり」は「関係づくり」

大学では住空間デザイン学科にて、住宅だけでなくインテリアや施設、コミュニティまで幅広い建築を学んできた。3年生までは意匠設計やプレゼンシートなど授業テーマに合わせた制作を行い、4年生からは自らテーマを考え、クライアント設定や現地リサーチへ行くなど、よりリアルな制作活動へと変わっていった。

幅広く学べる楽しさを感じる一方で、”建築”という大きな枠から、将来の方向性について悩むこともあったという。建築の美術展に行ってみたり、各地の街並みを見に旅行をしたり・・・と、やりたいことを模索していく中で、大竹さんの印象に残った場所があった。

「思い出になったのが、新橋、虎ノ門です。設計事務所のオープンデスクに行った時に立ち寄って、たくさんの飲み屋さんが建ち並ぶ光景に、まさにサラリーマンがいるからこその街並みだと感じました。」

人や歴史から街の空気が生まれていること。
それぞれが、それぞれらしくあること。
そんなことを感じて考えることが好きで、彼女の興味は”公共建築(まちづくり)”へとフォーカスされていった。

新橋の街並み
新橋の街並み

大学最後の卒業制作では「浜名湖サービスエリアの建て替え計画」をテーマとした、設計・模型制作・プレゼンテーションを発表。数ある卒業制作の中で優秀賞を受賞した。

「作っているときはあまり意識していなかったのですが、
地元の人のつながり、地元農家さんの直売所、交流が生まれるマルシェスペースとか、サービスエリアに詰め込んだ要素の中に相羽建設の取り組みと通ずるものがいくつかありました。
4年間働いてきたからこそ、自分のやりたいこと・つくりたいもののイメージや価値観が育まれたのかなぁなんて思って、なんだか嬉しくなりました。」

卒業制作の模型
卒業制作の模型

大竹さんは、2021年に大学と相羽建設(あいばこ)を卒業し、春からランドスケープや公共施設をメインとした、まちづくりのコンサルタント会社に入社した。
工務店と規模は異なるが、クライアントや地域の人々に寄り添いながら関係をつくっていくことは、彼女が今まで積み重ねてきた経験の延長であり、それが地域に愛される「まちづくり」となっていくだろう。
幼少時代からの興味、大学で学んだ建築知識、相羽建設での実体験の一つひとつが現在へとつながっている。

相羽建設の地域交流イベント「つむじ、暮らしの文化祭」にて
相羽建設の地域交流イベント「つむじ、暮らしの文化祭」にて

大竹さんから、工務店で働くことを考えている方へメッセージ

「工務店でアルバイトをして印象的だったのは、思っていた以上にいろいろな仕事があるということです。
大学では設計してつくるまでを勉強しましたが、相羽建設では広報やイベント開催、メンテナンスなど部署ごとに多様な仕事があってとても新鮮でした。
スタッフのみなさんの人に対するおもてなしや気遣いもあたたかくて、私が最初に想像していた工務店のイメージとは違っていました。

私自身、就職活動をしたから感じたことですが、もちろん人によって向き・不向きはあると思います。
一つの仕事に集中したい人は大きい企業に行った方が良いし、つくっている家が好きだったり地域の人とのつながりを大事にしたい人には工務店をおすすめしたいです。

建築の仕事を目指す学生にとって、工務店という選択はかなりニッチですが、多様な選択肢があるということを知ってもらえたら嬉しいです。」

話し手プロフィール

大竹あすみさん

相羽建設株式会社 メンテナンス・リフォーム部

大竹あすみさん

駒沢女子大学 人文学部 住空間デザイン学科出身。大学入学とともに相羽建設株式会社 メンテナンス・リフォーム部「あいばこ」へアルバイトとして入社(2021年3月まで)。大学卒業後は、ランドスケープや公共施設をメインとした、まちづくりのコンサルタント会社に所属。

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