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暮らしに欠かせないドアや収納をつくる建具屋さんの仕事

現場の職人

暮らしに欠かせないドアや収納をつくる建具屋さんの仕事

ゲンバ女子がゆく!こんにちは、職人さん!|第3弾

話し手:
建具屋・青建社
生山英樹さん・清田英則さん
建物名:
建築現場

People

あいば女性監督(ひぐち・あそう・こいで)がお送りする職人さんインタビュー企画!大工さんをはじめ多くの職⼈さんが携わっている相⽻建設の家づくり。様々な職人さんたちのお人柄をご紹介していきます。
今回ご紹介するのは、建具屋・青建社の生山 英樹さんと清田 英則さんです!

今の仕事を始めた きっかけは?

ひぐち)青建社は相羽建設の加工場のお隣に会社を構えていらっしゃいますが、もともとこのあたりで始められたのですか?

生山)先代が熊本から東京に出てきて20 代半ばで建具屋として独立してね。しばらくは個人事業主として働いていて、会社を設立したのが平成2 年。親父がこの仕事を始めてからもう50 年以上になるね。

右:清田 英則さん、左:生山 英樹さん
右:清田 英則さん、左:生山 英樹さん

ひぐち)生山さん自身はどういう経緯で家業を手伝うことになったんですか?

生山)商業高校に通っていて就職活動もしたんだけど、卒業する1 年前にバブルが弾けてすごく景気が悪くてね。200~300 人くらい受けて採用されるのは2 人とか。

ひぐち・あそう)えぇ~!!

生山)大卒でもなかなか決まらない就職先を、高卒の自分が見つけるのは難しくて、先が見えない中で家の仕事を手伝うことにしたんだよね。そして高校最後の夏休みは遊ぼう!って(笑)

ひぐち)若かりし頃の生山さん(笑)。清田さんはどんな経緯で建具屋さんの仕事を始めたんですか?

清田)親父が大工をやっていて、つながりのあった工務店から前職の建具屋を紹介されて入りました。それが中卒一年目の頃。もともとものづくりは嫌いじゃなかったからね。

ひぐち)その頃からものづくりが好きだったんですね!

左:インタビュー担当の現場監督の麻生(あそう)、左:樋口(ひぐち)
左:インタビュー担当の現場監督の麻生(あそう)、左:樋口(ひぐち)

お客様とのエピソード

ひぐち)建具屋さんは、お客様が住まわれた後にメンテナンスに訪問する機会が多いですよね。

生山)メンテナンスの相談が1番多いのは梅雨時かな。とくに木製建具は湿気を含んで膨むとドアや引き出しの動きが渋くなることがあるからね。切ったり削ったりして動きをスムーズにすることは簡単なんだけど、冬になって乾燥した時に大きい隙間ができるからできるだけやらないようにしてて「最低限できることをやって様子を見ましょう」って話をすることが多いです。

ひぐち)メンテナンスが必要なこともあると思いますが、木製建具の魅力ってなんだと思いますか?

清田)個人的には一つしかないんだけど、「調整ができる」ことだね。既製品は不具合が出たら取り替えないといけないけれど、建具屋がつくっている建具は調整やメンテナンスをして永く使えるから。

一緒に働く生山さんの息子の聖夏(せな)さん
一緒に働く生山さんの息子の聖夏(せな)さん

生山)あと既製品の建具は、使われている部品のほとんどをそのメーカーがつくっていることが多いから、既製品建具の部品だけ手に入れるっていうのも難しいことがあるんだよね。

ひぐち)修理したくても、そもそも部品が手に入らないんですね。

生山)代えが効くものを提案することはあっても、まるっきり同じように納めることは難しい。そういう意味では自分たちがつくっている建具はいろんな提案ができて永く使えるよね。やっぱりドアにしても引き出しにしても毎日のように動かすものだから、使っていくうちにどこかに負荷はかかってくるし、つくったばかりの時と同じように保てるわけではないからね。

ひぐち)メンテナンスしなくちゃいけないと捉えていましたが、逆にメンテナンスできるからこそ永く使えるっていう考え方もあるんですね!メンテナンスができる素材であることと職人さんの技術があってこその強みですね。

仕事のこだわりポイント

ひぐち)一緒にやっていてお互いの仕事のこだわりを感じる瞬間はありますか?

清田)自分のやり方もあるけど、同じものでもつくるプロセスは人それぞれなんだよね。いろんな職人さんに教わったやり方を試してみて、早かったりやりやすいと思った方法を自分のやり方にしてきたからね。長年やってきた基礎があるから、自分のやり方でやって完成につなげればいいかなって。

生山)俺はその過程に関してこだわりはなくて、物件に納めるものが綺麗に納まればそれでいいと思ってる。

ひぐち)他の職人さんの仕事は壁の内側に隠れて見えなくなってしまうことが多いですが、建具屋さんの仕事って、家が完成した時も表に見えてくる部分ですもんね。建築用語で言えば「化粧」部分というか。

生山)そうだね。あと建具は動かすものだからね。極端な話で言えば、隙間だらけにつくれば木材が歪んでも動くから後のメンテナンスも無いって考え方もあるんだけど、だからと言ってそんな粗い仕事の仕方はしたくない。だけど木造住宅だから、どうしても木の乾燥や湿気で建具の動きが渋くなったりすることもある。それをメンテナンスして永く使い続けられるようにするのも俺達建具職人の仕事だね。

建具の調整など細かな作業のためのノミ
建具の調整など細かな作業のためのノミ
指を刺して示されているノミが一番よく使うそうです
指を刺して示されているノミが一番よく使うそうです

職人として目指す姿・これからの目標

ひぐち)これから生山さん、清田さん、あと生山さんの息子さんもいらっしゃいますが、青建社としての目標はありますか?

生山)俺たちは目標にする年代の人が身近にいないけど、例えばうちの息子だったら清田の仕事を見て「こうなりたい」とか「ここまでやれるようになりたい」とか目標を立てられるかもしれないね。

清田)自分は人に対しての目標って昔から持ったことないからな。今まで教わってきた職人さんに対しても「こうなりたい」というよりは「こういうやり方があるんだ!」って学んできたからね。

ひぐち)どちらかというと「持っている技術を伝えていく」という方向になるんですかね。

生山)俺らが教わってきた時代の人たちって、やっぱり「見て覚えろ」的な感覚が多いイメージだけど、今同じやり方で息子に教えるっていうのは多分無理。みんなも同じだと思うけど、昔と同じやり方で教わっていたら多分みんなここにはいないよね(笑)

清田)建設業全体で見ても、最低限基礎のやり方を教えて、あとは本人達のやる気や興味を深められるか、みたいなことが大事かもしれないね。

ゲンバファッション

ひぐち)現場ファッションのこだわりはありますか?建具屋さんはノミを使っていますよね。怪我のことを考えての服装などもあるのでしょうか?

生山)動きやすければ良い!(笑)

清田)あとポケットがついているものくらい?

生山)胸ポケットが一個ついているだけで便利。ワークマンに行って一回気に入ったものがあったらずっと同じスタイルだね。今着ているこの色・形のズボン何本も持っているよ。ワークマン最高!(笑)

Thank you for the interview

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