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現場の職人
最後の一枚を考えて貼り始める、タイル屋さんの仕事
ゲンバ女子がゆく!こんにちは、職人さん!|第9弾
- 話し手:
- タイル屋(相友会・会長)
里見彰さん - 場 所:
- 相羽ワークス(加工場・倉庫)
People
あいば女性監督(ひぐち・あそう・こいで)がお送りする職人さんインタビュー企画!大工さんをはじめ多くの職⼈さんが携わっている相⽻建設の家づくり。様々な職人さんたちのお人柄をご紹介していきます。
今回ご紹介するのは、相友会の会長を務めていただいているタイル屋の里見彰さんです!
全建総連 首都圏建設産業ユニオン多摩北支部で執行委員長も担当されています。
今の仕事を始めたきっかけは?
ひぐち)タイル職人の仕事を始めたきっかけを教えてください。
里見)大学の建築科を出て設計事務所に3年勤めた頃に、先代の親父が大怪我をしたことがきっかけです。一緒にやっている職人さんもいるしどうしようかと悩んでいたので「タイル屋をやる」って親父に言ったらとても喜んでくれました。
ひぐち)前職では住宅の設計をしていたんですか?
里見)大学の学科もそうだったんだけど、空調とか音響のいわゆる設備設計っていう職種だね。今みたいにパソコンなんてない時代だから全部手書きで、まず建築図面の設計図をトレースして、そこに設備配管を落としていく。給排水・ダクト・・・と。
ひぐち)そこからお父さんや職人さんの手伝いをはじめたんですね。その頃から相羽建設と仕事をされていたんですか?
里見)相羽会長が独立してすぐの時から一緒に仕事をしていたよ。
ひぐち)ちなみに一棟目って覚えてたりしますか?何年前くらいでしょうか?
里見)45年前くらいだね。最初は確か新橋のビルだった気がするなぁ。その現場に行った時に相羽会長がいて、大歓迎してくれてね。相羽建設での工事は職人さん同士が名前で呼び合ったりお互いの顔が見えて、コミュニケーションを取り合いながらやれるところが良いですね。長年一緒にやっているからこその関係性です。
仕事へのこだわり
ひぐち)タイルの仕事はある程度家ができあがった後に入ると思いますが、だからこそ大変なことや、こだわっているところはありますか?
里見)自分の場合は仕上がりを重視しています。タイルって最後の一枚のことまで考えて枚数の割り付けをするんだけど、やっぱり完成したところを想像して施工していくことは大切だよね。
ひぐち)タイルってお客様の好みが出やすいところですが、印象的だった工事はありますか?
里見)去年、建築家さんが設計した物件のリフォームで台所のタイルを貼った時かな。リフォームだから割り付けはまだされていなくて「アットランダムになるように」って依頼で、規則正しくならないように結構考えました。
ひぐち)そういう時は床に並べたりするんですか?
里見)並べたよ。それについては現場に来ていたリフォーム設計担当の太田さんにも絶賛いただきました。図面では「ここから貼り始めてください」っていう指示があったんだけど、材料に半端が出ないように別のところから貼るのはどうでしょうか?って逆提案してね。
ひぐち)やりがいとしては、こういう時に達成感があるのでしょうか?
里見)そうね。タイルって紙貼りの跡が見えてしまうくらい精度が悪いと斜めになってしまうところがあったりするから、貼ったところをしょっちゅう後ろから振り返って確認するんだよね。終わった後にあそこ直しておけばよかったなってならないようにね。
ひぐち)里見さんの中でのポリシーなんですね。
里見)親父と仕事してても「お前馬鹿丁寧にやるな」って言われて。やっちゃダメとは言われないけど、そこまでやらなくても良いって言われたりね。でも、最後の一枚を考えて貼り始めるのがタイル屋の仕事だから。
ひぐち)名言ですね!
一番の相棒(道具)は?
里見さんが愛用し続ける、様々な道具たちを紹介いただきました!
職人として目指す姿
ひぐち)それでは最後に勤続50年に向けて目指していきたいことはありますか?
里見)健太郎社長に言われるんだよね。「里見さんの請求書を見るとタイルの仕事が一つもない時があって面白い」って。
ひぐち)里見さんにはタイル以外の仕事もたくさんお願いしてますもんね。コーキングやユニットバス設置など細かい仕事もたくさんやっていただいていて・・・。
里見)他の仕事もしていると結果的にタイルの仕事をいただけるからね。そういえば相羽建設本社のアプローチの時もお願いされて、人生ではじめて「こたたき仕上げ」の施工をしたよ。
ひぐち)これからもそのような新しい仕事が出てきた時は、是非里見さんに一報入れるので、一緒に新しいことに挑戦させてください!
Thank you for the interview