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つくる人
伝統的なステンドグラスの技術で、日本の昭和型板ガラスの魅力を伝える
つむじのヒトvol.10
- 話し手:
- hacchi
畑絵美さん - 建物名:
- モデルハウスつむじ
- 場 所:
- つむじ市

People
「手仕事」と「食」をテーマに地域の人と文化が出会い、豊かな交流が生まれる場「つむじ」。イベントや交流を通してつむじを支えてくれている人をご紹介します。
伝統的なステンドグラスの技術で、日本の昭和型板ガラスの魅力を伝える
つむじ市に出店いただいている『hacchi&sukimasapuri』のhacchi、畑絵美さん。
ヨーロッパの伝統的な絵付け技法と日本の昭和型板ガラスを融合した小さなステンドグラス作品を作られています。
以前からつむじ市に参加されていた木工作家『mutou』さんからのご紹介がきっかけで、つむじ市に出店いただくようになりました。



もともとステンドグラスのプロ養成所に通っていたという畑さん。ヨーロッパの本格的なステンドグラス制作を学ばれていましたが、大きく立派なステンドグラスを日本の住宅に組み込むのは難しく、展示会などを除き一時期制作を休止していた期間もあったといいます。
そんなある時、ママ友つながりでマルシェを開催することになり、現在『hacchi&sukimasapuri』の相方であるsukimasapuriの藤井さんから「なにかつくれる?」とお声がけがありました。「昔ステンドグラスをつくっていて・・・」という話をすると「それじゃあガラスを使った小物作品はどう?」と、話が広がり今の作品づくりにつながったのだとか。
「あのとき彼女が声をかけてくれなかったら、こういった小さな作品をつくることはなかったと思います」と、作家活動のきっかけを振り返り、笑顔でお話しいただきました。

畑さんの作品にはどれも『昭和型板ガラス』が取り入れられていて、ガラス特有の透明感や爽やかさがありつつどこか懐かしさも感じます。
昭和型板ガラスは1990年代を最後に生産が終了しており、現存しているのは既存の建物に組み込まれているもののみとなる、とても貴重なガラス。
作家活動を通して、日本から消えゆくガラスをステンドグラスと融合した作品とすることで、たくさんの方に伝えていきたいという畑さん。
きっかけは畑さんのインスタを見た、岐阜県で作家活動をされている『pieni』さんから「昭和型板ガラスのチームをつくりたいので、是非協力してほしい」と連絡を受けたことから。
pieniさんが北海道から九州まで全国各地で活動している作家さんに声をかけてチームを結成し、昭和型板ガラスが組み込まれた全国の建物解体現場の情報を共有することで、各地の作家さんが現場へ行き廃棄される予定だったガラスをレスキューするというものです。その活動にとても共感した畑さんは、近場で連絡があるたびに解体現場に足を運んでいるそうです。
作品をつくりはじめた当初はインターネット販売やオークション等でガラスを購入されていましたが、現在はレスキューしたガラスを中心としたものづくりとなっています。



「ステンドグラス雑貨やお皿になったり、アクセサリーに変わったり・・・解体現場で捨てられる運命だったものが、もう一度『家で使えるもの』として再生する。そうやって1人でも多くの方に昭和型板ガラスの魅力を広めていけたらいいなと思っています!」とお話しくださいました。
話し手プロフィール

hacchi
畑 絵美(はた えみ)
ヨーロッパの伝統的な絵付け技法と昭和型板ガラスを融合させた小さなステンドグラスを制作。季節に合わせた作品も多数あります。