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家の性能まるわかりセミナー

みる

家の性能まるわかりセミナー

AIBAの家づくりの構造の「中身」を見て、聞いて、学べるイベント

体験名:
家の性能まるわかりセミナー(構造見楽会)
話し手:
相羽建設(株)広報部
吉川 碧
場 所:
多摩湖町2丁目「ヒトコトの家」
設 計:
相羽建設設計部 松本 翔平
施 工:
相羽建設

Taiken

「地震に強い、耐震性の高い家に住みたい!」「夏は涼しくて冬は暖かい家がいい!」
みなさんが家づくりを考える際に、おそらく一度は上記のような「住まいの性能」について考えることがあるのではないでしょうか?
性能の良い家……と聞くと、なんだかそれだけで安心感がありますよね。しかし一方で、「そんなに性能が高い必要があるの?」「性能が良いことで、私たちの生活にどんなメリットがあるの?」というような疑問も出てきます。
そんなモヤモヤをスッキリさせるべく、実際に現場を担当するプロの現場監督と設計士がみなさんの目線に立ってわかりやすく説明してくれる、構造トーク&見学ツアー「家の性能まるわかりセミナー」に参加してきました。

まだ未完成なのに、すでにあたたかい

会場は相羽建設で建築中の2棟のおうち、東京都東村山市多摩湖町にある「ヒトコトの家」。
敷地面積113.80平米(34.35坪)、延べ床面積81.15平米(24.50坪)ほどのコンパクトな住まいです。

この日は2月中旬の冬真っ只中で北風も強く、会場に到着するまでの道のりがとても寒く……!
まだ完成していない住まいが会場ということで「家の中も寒いのかな…」と身構えていました。
けれどいざ家の中に入ると「あれ?意外と寒くない!」。
工事中だけれど、もうエアコンがついているのかと思ったら、暖房器具はストーブ1台が端の方に置いてあるだけ。
それだけなのに家全体があたたかい。比較するなら私が今住んでいるアパート(エアコン起動時)より断然あたたかいほど。笑

多摩湖町2丁目「ヒトコトの家」2階の様子。
多摩湖町2丁目「ヒトコトの家」2階の様子。

現場監督と設計士によるトークショー

イベントの見どころの一つ、現場監督と設計士のトークショー。
今回は、AIBAの現場監督6人と、会場となった「ヒトコトの家」の設計者それぞれの視点からのお話でした。
そもそも現場監督ってどんなお仕事をしているのか、設計士ってどんなことを大事にして家を設計しているのか……など、自己紹介を含めて基本的なことからわかりやすく説明してもらえました。

少人数で質問もしやすい雰囲気。
少人数で質問もしやすい雰囲気。
司会役は女性現場監督の樋口。
司会役は女性現場監督の樋口。

設計者の松本からは、「ヒトコトの家」コンセプトや設計の工夫について。

延べ床面積24坪という比較的コンパクトな家だからこそ、こまかく仕切らないことで大きくゆったり過ごせる間取りや、立地を活かしたリビングからの景色の切り取り方。また、主流であるアルミサッシではなく樹脂サッシ(窓)を取り入れたり、厚みのある断熱材や使用することで断熱・気密性を高めることに特化しているとのこと。

「家が小さいから暮らしも小さくするのではなく、小さいからこそゆとりのある間取を提案しています」というお話には、なるほど!と。

図面を見ながらイメージを膨らませます。
図面を見ながらイメージを膨らませます。
「ヒトコトの家」設計者の松本。
「ヒトコトの家」設計者の松本。

現場監督の橋詰からは、断熱・気密・素材についてのお話。

樹脂サッシや断熱材を使うことで断熱・気密性が高くなるのはわかったけれど、それって具体的にはどんなメリットがあるの?と気になります。
断熱性が高いと、例えば冬は家の中のあたたかい熱が外に逃げにくく、夏は外からの暑い熱が家の中に入りにくくなります。つまり、必要以上にエアコンや暖房器具を使用しなくても良くなるのです。すると電気代の節約にもなり、部屋ごとの寒暖差も小さいので体に負担もかからない……生活していく中ではとても嬉しいポイントですね。

現場監督の橋詰による、断熱性を高めるための道具の説明。
現場監督の橋詰による、断熱性を高めるための道具の説明。
こんな小さな気遣いの積み重ねで、性能が上がっていきます。
こんな小さな気遣いの積み重ねで、性能が上がっていきます。

「ヒトコトの家」では、自然素材の無垢の床板が使われます。
無垢材の床板と合板フローリングって何が違うのか?実際にさわって確かめてみました。

実際にさわってみて、どちらが冷たいか?確かめます。
実際にさわってみて、どちらが冷たいか?確かめます。

みなさんがさわって体感した結果は「無垢材のほうがあたたかい!」という意見になりました。
では、温度計で測ってみると……

あれ!?同じ温度!!

温度は同じなのになぜ無垢材の方があたたかく感じたのでしょうか?
これは熱伝導といって、素材によって熱の伝わる速度がそれぞれ違うことから生じる体感の差なのです。合板フローリングは熱の伝わる速度が速いので冷たいと感じ、無垢材の床材は伝わる速度が遅いので、あたたいと感じるのだそうです。なんだか理科の実験みたいで面白いですね。
無垢材を使うことで不快な温度差を感じにくい、居心地の良い空間がつくられるようです。

合板フローリングの床板(20.1℃)。
合板フローリングの床板(20.1℃)。
「ヒトコトの家」で使用される、無垢材の床板(20.1℃)。
「ヒトコトの家」で使用される、無垢材の床板(20.1℃)。

現場監督による現場ツアー

トークショーが終わると、実際に家の中を歩きながら説明してもらえるミニツアーがはじまりました。
ほとんどの方が家づくり初心者なので、ただ構造を見てもかなかなか何が良いのわかりません……が、プロが教えてくれると、「なるほど!だからこうなっているのか」と腑に落ちることがたくさん!

壁が仕上がる前の構造空間。
壁が仕上がる前の構造空間。

2階に上がると、完成した家では普段見られない柱や梁、断熱材や配線コードがありました。
カラフルな配線コードにもしっかりと意味があり、色ごとに何の配線なのか、どこにつながっているのものなのかが一目でわかるようになっています。これで、職人さんの工事や後のメンテナンスの効率がぐっと良くなるそうです。

家を建てるにはお金がかかりますが、どんな家でも建てた後はいずれメンテナンス費用もかかってくるものです。そんな時にこういった内部の工夫があることで施工の手間が抑えられ、長い目で見ればお財布にも優しい構造になっているとのこと。

色ごとに役割のある、カラフルな配線コード。
色ごとに役割のある、カラフルな配線コード。
よく見ると、どこに繋がっているコードなのか書いてありました。
よく見ると、どこに繋がっているコードなのか書いてありました。

現場監督リーダー渡邉も、配線コードのことや断熱材の熱伝導率について詳しく説明してくれました。
素材の良さも重要ですが、高性能を実現するための大前提として施工者の努力や職人さんたちの腕が良いことも大事な要素なのだそうです。
たくさんの作り手たちの力で居心地の良い家が実現しているのですね。

もこもこした綿のような断熱材。あたたかそうです。
もこもこした綿のような断熱材。あたたかそうです。
配線をひとまとめにすることで後のメンテナンスも安心。
配線をひとまとめにすることで後のメンテナンスも安心。

取材後記

「性能」というと、なんだか難しそう……という偏見から、実際にお話しを聞きながら案内してもらえると楽しく家の仕組みを学ぶことができました!

家族が健康に永く住み続けられる家というのは、デザインや素材感はもちろん、性能部分もとても重要なポイントです。
自分たちの暮らしを陰ながら支えてくれている、職人さんたちの技術や構造・断熱材の仕組みがあってこそ、安心して暮らせる住まいとなります。
家が完成する頃には壁の内側に隠れて見えなくなってしまう大事な部分。今回のこのイベントをきっかけに家の「中身」知ることができ、家づくりがよりいっそうワクワクするものに感じました。
(広報部 吉川)

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