木の家づくり100Taiken
まなぶ
山と木を見に行く「森林バス見楽会」
家づくりに用いる木が生まれる場所を訪ねて
- 体験名:
- 山と木を見に行く「森林バス見楽会」
- 話し手:
- 相羽建設 営業部
新次郎 - 場 所:
- 秩父の山・製材所
Taiken
家を建てようと考えた時、その木がどんなふうに育っているのか。以前からとても興味がありました。毎日の食材も産地を気にしているのに、もっとずっと長い時間を過ごす家に使う材料って、どんな物なのだろうと。妻はさすがに家に使う材料までは考えが及んでいなかったらしく初めはあまり乗り気ではなかったですが、このイベントはみんなで行った方がきっとイイ!という私の直感で(笑)、子どもたちも一緒に参加することにしました。
山で木にふれ、材木をつくる人たちに会いにいく
朝早く相羽建設の加工場「相羽ワークス」まで車で行き、マイクロバスに乗り替えて一路秩父方面を目指して出発!秋晴れのイイお天気です。このバスツアーは毎年春と秋に開催しています。
休憩をはさんで、道の駅「みなの」でウッディーコイケのみなさんと合流。いよいよ山の方に入っていきます。下の駐車場までバスが入っていけるので、小さい子どもたちも一緒のわが家にはちょうどイイくらいの山歩きでした。
11:00くらいに現場に到着。山の話しを聞きながらいよいよ午前中のハイライト、山師さんによる伐採の実演が始まります!家の材料になるには樹齢が50年を超えて真っ直ぐに育っている木であること。昔誰かの手によって一本ずつ植えられた苗木が多くの人の手によって、今目の前にある木になるまで大切に育てられてきたことを想うと、本当にスゴイな~という気持ちが沸き上がって来ました。様子を見ながら何度か切込みを入れて・・・大迫力と共に伐り倒されました。
伐り倒された木は「プロセッサー」という機械で枝を落とされて、ここから運び出せるようにある程度の大きさに切られます。実はこの「運び出す道」をつくる作業が本当に大変で、途中に大きな岩があるような場所では、一日がかりでも少ししか進めないこともあるそうです。山師の方が自在にプロセッサーを扱う姿も注目です。伐りたての木の輪切りをお土産にもらい、子どもたちも喜んでいました。
お昼をはさんで、午後は製材工場の見学です。午前中に伐り出された木が家の材料になるまでには、たくさんの工程があります。丸太の真ん中の部分から四角い柱や梁を切り出して、その周りは板状の材料を取ったり、工夫しながらできるだけ余すところなく材料を取っていきます。丸太から剥いだ木の皮も、乾燥させせるためのボイラーの燃料に使うなどリサイクルの考え方も導入されています。
そして最後に、機械による乾燥度合いや強さの測定と、人の目による厳しいチェックが入ります。一番驚いたのは、ここまで来て最後のチェックでダメになる場合があるということ。もちろん捨ててしまう訳ではないですが、何十年という時を経て多くの人たちによって育てられ、工場での製材作業を経て、それでも家の材料としては使えない。逆を言えばそこまでしてでも、安心して使ってもらえる品質の物を確実に提供していくという姿勢や想いを実感することが出来ました。
子どもたちはどんなことを感じたのかわかりませんが、これから建てていく家の柱を見ながらその手で触った時に、今回のバスツアーや山のことを何か思い出してくれたら嬉しいです。あれだけ乗り気でなかった妻が帰りのバスの中で「山に来て本当に良かった!」と言ってくれたのも、自分たちの親やその前くらいからのたくさんの人たちの想いに触れて、色々なことを実感できたからだと思いながら、実り多き秋の一日を過ごしました。
Movie
100TAIKEN『山のバス見楽会』(前半)
相羽建設が開催している「家づくり学校」課外授業「山のバス見楽会」の様子です。
写真:相羽建設(株)広報部
取材日:2016年11月
話し手プロフィール
相羽建設(株)営業部
新 次郎
豆から挽いてハンドドリップでコーヒーを淹れること。挽き方や淹れ方、ドリッパーによって味が変わる所にハマっています。アイスコーヒーも、なかなか奥が深い!お気に入りの豆を見つけたり、マグや道具を揃えていくのも楽しみです。これからもゆっくりと続けていきたい、私のリラックスタイムです。