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大工さんに会いにいく。|「あんふぁん」夢育プロジェクト

まなぶ

大工さんに会いにいく。|「あんふぁん」夢育プロジェクト

全国の幼稚園で配布されているフリーマガジン「あんふぁん」。編集部と一緒に、憧れの大工さんに会いにいったこうすけくんは……

体験名:
大工さんの手仕事体験・インタビュー
話し手:
相羽建設 広報部
伊藤 夕歩
場 所:
加工場[相羽ワークス]・建築現場・つむじ

Taiken

幼稚園の園児とママに向けたフリーマガジン「あんふぁん」(サンケイリビング新聞社発行)。幼稚園での育児や子どものいるご家庭に向けたさまざまな情報を伝えています。
同誌編集部では、発行15周年の特別企画「夢育プロジェクト」として、子ども達が憧れの職業を実際に体験したり、働く人と会ってインタビューをしたりしながら、夢をかなえるサポートをしています。
今回、「大工さんになるのが夢」という少年『こうすけくん』が、相羽建設の大工さんに会いにきてくれました。

きっかけは編集部に届いた一通の手紙から

ある日、あんふぁん編集部に「大工さんになりたい」という想いがつまったイラスト付きの手紙が届きました。

手紙の送り主は「こうすけくん」。
工作が大好きで、近所で家を建てる大工さんを見て「僕も大工さんになる!」と夢を描くようになったそうです。強い気持ちのこめられた手紙をもらい、こうすけくんを応援したいと編集部から相羽建設にご連絡をいただき、大工さんとの出会いが実現しました。

山本大工さんと一緒にミニ上棟。
山本大工さんと一緒にミニ上棟。

大工さんと一緒に夢中になる時間

まだ寒さの残る2月初旬の朝、こうすけ君があんふぁん編集部と一緒に加工場に。

木材がたくさん並ぶ加工場の様子や、見慣れぬ機械や道具などにはじめはドキドキと緊張していた様子のこうすけくんでしたが、木をノコギリで切ったりカナヅチで叩いたりする内に、みるみる目を輝かせて真剣な表情に。

「よーし、一緒にやろう!」と山本大工さんも加わって、鉋掛けやミニ上棟に一緒に取り組みました。

「番付」という木組みの順番をたしかめながら、ていねいに柱と梁をつないでいきます。
「番付」という木組みの順番をたしかめながら、ていねいに柱と梁をつないでいきます。
ミニ上棟を終えて、完成した小さな家をかこんで記念撮影。中心がこうすけくんとお母様。向かって左が当日の体験の段取りをしてくれた橋詰監督。右が棟梁の山本大工さん。
ミニ上棟を終えて、完成した小さな家をかこんで記念撮影。中心がこうすけくんとお母様。向かって左が当日の体験の段取りをしてくれた橋詰監督。右が棟梁の山本大工さん。

木の香りや自然素材の手ざわり

カンナがけで自分がけずった木のにおいを嗅いでたしかめたり、木や自然素材の手ざわりを直にさわってたしかめるこうすけくん。
体験が終わるころには、「大工さんになりたい!楽しかった!」と満面の笑顔でうれしそうに話してくれました。

カンナがけ体験。「体ぜんたいで引いていくんだ!がんばれ!」
カンナがけ体験。「体ぜんたいで引いていくんだ!がんばれ!」
大工さんの道具「かんな」を使う。
大工さんの道具「かんな」を使う。
「木のにおいがする!」
「木のにおいがする!」

憧れの大工さんにインタビュー

こうすけくん
「どうしたら大工さんになれますか?」

山本大工さん
「一番大事なのは『なりたい!』っていう気持ちだよ。

 それさえあれば大丈夫だ!」と山本棟梁。

職人さんになりたいという気持ちを少年のころから持ち、勇気を出して会いにきてくれたこうすけくん。
その想いに正面から応えたいという大工さんの熱いエールが、インタビューの言葉から伝わってきます。

用意してきたメモを読んで、大工さんにインタビュー。
用意してきたメモを読んで、大工さんにインタビュー。
憧れの大工さんに会って、ドキドキから少しずつワクワクに変わっていく表情が印象的でした。
憧れの大工さんに会って、ドキドキから少しずつワクワクに変わっていく表情が印象的でした。

「大工さんってすごい!」見学して分かる職人の仕事

相羽ワークス(加工場)は大工さんや職人さんたちが、家づくりで使う木材の加工や、木の家具や建具を製作する場所です。こうすけくんも手仕事体験を終えた後、相羽ワークスのあちこちを歩き見学していきます。

「そのテーブルはおじさんがつくったんだ!」と益子大工さん。「すごい!」と驚くこうすけ君。
「そのテーブルはおじさんがつくったんだ!」と益子大工さん。「すごい!」と驚くこうすけ君。

大工さんが働く「建築現場」へ

手仕事体験の後、こうすけくんと編集部は相羽ワークスから移動して、いよいよ家づくりの「建築現場」へ。
この日は同じ東村山市内で工事が進んでいる建物を訪ねました。多摩産材で構造がつくられ、太陽熱を利用して床暖房をする「OMソーラー」や薪ストーブを設置。室内は「スキップフロア」という上下方向の段差で空間がつながるように計画された建物です。

設計は建築家の島田貴史さん(しまだ設計室)、大工さんは親方の高橋棟梁と社員大工の佐藤くんの二人。
柱に書かれた記号や壁につめこまれた断熱材などの様子に興味津々のこうすけくん。「これは何?」と次々に高橋棟梁に質問していました。
ミニ上棟で柱や梁で家の構造ができていくのを体験したり、カンナがけや釘打ちをして大工さんの仕事体験をした後での建築現場。こうすけくんの目に、どんな風に映っていたのでしょうか。

「現場で建物ができるとさ、立体的に空間が見えてくるんだ」と高橋棟梁。 都内でマンション住まいという編集部の皆さんからも、「実際に木の家の現場を見ると、家ってやっぱりいいですね!」と嬉しいお言葉も。
「現場で建物ができるとさ、立体的に空間が見えてくるんだ」と高橋棟梁。 都内でマンション住まいという編集部の皆さんからも、「実際に木の家の現場を見ると、家ってやっぱりいいですね!」と嬉しいお言葉も。
「屋根で集めた太陽の熱を、大きな扇風機で床下に送っているんだよ。ほら、あったかいだろう」と高橋棟梁。
「屋根で集めた太陽の熱を、大きな扇風機で床下に送っているんだよ。ほら、あったかいだろう」と高橋棟梁。
取材に訪れた建築現場にて。
取材に訪れた建築現場にて。
「どうやったら大工さんになれますか?」という質問に「いっぱいご飯を食べてしっかり寝ていれば大丈夫だよ!」と力強くアドバイスをしてくれた社員大工の佐藤くん。すばらしい!!!
「どうやったら大工さんになれますか?」という質問に「いっぱいご飯を食べてしっかり寝ていれば大丈夫だよ!」と力強くアドバイスをしてくれた社員大工の佐藤くん。すばらしい!!!
多摩産材の木。番付がこちらにも。
多摩産材の木。番付がこちらにも。

「ぜったい、大工さんになりたい」

インタビューの終わりに、かわいい釘袋をプレゼントされたこうすけくん。「ぜったい大工さんになりたい」。
棟梁の高橋健司さんから「いつでもおいで、待っているよ」とうれしい言葉も。

取材の最後は、山本大工さんや高橋大工さんも一緒につくった「つむじ」(東村山市)にある木の家で、お母さんと一緒に記念撮影。こうすけくんはお母さんに“将来、僕が家を建ててあげるね”と話しているのだそう。


未来の大工さん、楽しみですね!

大工さんがつくった家具に座って記念撮影。
大工さんがつくった家具に座って記念撮影。

・当日の様子は「幼稚園児とママの情報誌『あんふぁん』2018年春休み号」に掲載されています。

取材後記

昔の日本には、近所で仕事をしている大工さんは今よりもっと身近な存在だったし、手を動かしてものづくりをする場も減ってきているとお聞きします。
「大工さんになりたいというお子さんがいて……」とあんふぁん編集部からご連絡をいただいたところからはじまった今回のこうすけくんのものづくり体験。
子どもたちが思い描く夢や憧れの実現を応援したり、子育て中のママの「子育てを楽しむ」ことを応援しようと頑張っているあんふぁん編集部の皆さんがいてこそのすばらしい時間なんだと感じました。

話し手プロフィール

伊藤 夕歩

相羽建設 広報部

伊藤 夕歩

信州は浅間山のふもと御代田出身、東京都東村山在住。
住宅建築・リノベーションを行う地域工務店の広報の仕事や、広告や編集の仕事に携わっています。
自然も街も好きですが、時間ができたらちょっと遠くまで行ってみたいこの頃。

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