木の家づくり100Taiken
のぼる
のぼって、たたずむ家具「巣箱」。
2015年の秋のはじめのころ、みんなで考えた「お気に入りの道具」。
- 体験名:
- つむじのランドマークづくり
- 場 所:
- つむじ
- 設 計:
- 小泉誠+Koizumi Studio
- 施 工:
- 相羽建設株式会社
Taiken
2018年11月4日に開催される「つむじ、暮らしの文化祭」は、相羽建設と住まい手さん、地域の作家さんや農家さんなど、つながる人たちみんなで開催する「暮らしの文化祭」。2年目を迎える秋の一大イベントのテーマは「暮らしのお気に入りに出会える1日」。開催に向けて、それぞれのお気に入りの道具も紹介しあおう……と呼びかけあう中、個人としての道具ではないけれど、みんなで考えたお気に入りの道具として、「巣箱」を紹介したいと思いました。(広報部・伊藤)
宙に浮く不思議な箱
「東村山にできた地域活動の拠点となる『つむじ』という場所を、まちのみんなに覚えてもらえるように、ランドマーク的なものがほしい。例えばツリーハウスみたいなもの!」というある意味無茶な(?)オーダーを相羽建設がしたのが2015年の秋がはじまるころ。家具デザイナーの小泉誠さんがいつもの楽しそうな笑顔で、大まじめに聴きとってくださり、しばらくして提案してくださったのは、宙(そら)に浮く不思議な緑色の箱空間でした。
メディアであり、装置でもある家具
巣箱は定員2名の家具空間。大工さんがつくってくれた梯子をつたって内部に入り込むと、傾斜した床と大きな背もたれ板でラウンジチェアになり、窓枠がテーブルにもなるという、ある意味建築そのものが身体を支える家具になっています。室内は木の部分以外は黒く仕上げられていて、窓から入り込む外の景色以外は、距離感があいまいになる不思議な場所。
通りを歩く人にとっては、「あの箱は何だろう」とちょっとした違和感を残し、この場所を記憶するメディアにもなり、実際に登った人にとっては、その不思議な空に浮く家具の体感に楽しくなり、自然と笑顔になってしまうワクワク装置でもあります。
登ってみると思ったよりもグラグラして不安になることもある(安全です!)けれど、それが吊り橋効果になって、一緒に登った2人は仲良くなれるという噂もある(らしい)……。
学生時代、建築家の中村好文さんの生徒でもあった小泉さんは好文さんと研究室メンバーで長野県御代田の森に小さなツリーハウスをつくった際、一番先頭にたって、一番木の高いところに登ってツリーハウスをつくったのだとか。
僕も巣箱に登って、ちょっとだけ空に近いところに佇みながら、自由な発想で豊かな居場所をつくれる人になってみたいと思います。
ぜひ皆さんも、つむじの「巣箱」に登って、不思議な家具体験をしてみてください!
大工さんが加工場で製作し、つむじへ設置された時の様子から
取材後記
建築してから約2年半の巣箱。その後にたくさんの人に登っていただき、いつの間にか自然につむじの記念写真スポットにもなりました。
窓のテント生地も汚れが出てきていたので、「つむじ、暮らしの文化祭」開催日を前に窓や内部もメンテナンス中。テント生地を張り替えたり、窓枠を磨いて塗装したり。
きれいになった巣箱に、ぜひ文化祭当日は登ってみてくださいね!
話し手プロフィール
相羽建設・広報部
伊藤夕歩
信州は浅間山のふもと御代田出身、東京都東村山在住。
住宅建築・リノベーションを行う地域工務店の広報の仕事や、広告や編集の仕事に携わっています。
自然も街も好きですが、時間ができたらちょっと遠くまで行ってみたいこの頃。
秋のハーフマラソンに向けて深夜にランニングをするのがマイブーム。