住まいの実例100Life
建築家と建てる家
15年の年月を経て
建築家 永田昌民さん(N設計室)とつくる住まい
- 建物名:
- 木造一戸建て(建築家と建てる家)
- 場 所:
- 東京都東久留米市
- 住い手:
- 相羽邸(ご夫婦+お子様2人)
Life
今回紹介するのは、竣工から15年目を迎えた当社社長の相羽邸。自然素材の床は色艶を増し、大きく育った庭の木々からこぼれる日差しが家中に溢れる気持ちがいい住まいです。先日、お子さんの個室を設けるため、寝室を仕切るリフォームを行った際に、15年間家族の成長に寄り添ってきた家への思いや、現在の暮らしぶりについて伺いました。
ストーリー
上のお子さんが生まれたのをきっかけに家づくりを考え始めた当時の要望は、『人が集まる家』、『職場から近い』、『動きのある家』、『床座の生活』の4つでした。
「『人が集まる家にしたい』という要望通り、たくさんの友人が遊びに来てくれました。この場所、この家で子育てができて、家族との時間が過ごせて本当によかったです。ただ『職場に近い』という要望に関しては、建てた1年後に会社自体が引越ししてしまって!」と笑って振り返る奥様。
穏やかな時間が流れる畳のリビング
新築の際、設計をお願いしたのはN設計室の永田昌民さん。『動きのある家にしたい』という要望を受けて永田さんが描いてくださったプランがスキップフロアの家。玄関から階段を下りて1mほど地面に潜るようにリビングがあります。そうすることで建物の高さが低く抑えられてこじんまりとした見た目の良さと、北側に建つ家の日射を少しでも遮らずに済むという利点もありました。また、リビングの窓の高さはちょうど庭とおなじくらい。見上げる庭の木々はより一層大きく見え、地表を覆う小さな草花が寄り添ってくれているような穏やかな時間が流れる空間になっています。
そして『床座の生活』という要望からリビングは畳に。畳のリビングに馴染みがなく、奥様は提案当初使い勝手に不安があったということですが、「子どものおむつ替えが頻繁な時期もそのまま寝転がらせたり、転んでもクッション性があったり、友人が遊びに来たら雑魚寝をしたりと、我が家には合っていたと思っています。」と子育て当時を振り返り穏やかに語ってくださいました。
15年めのリフォーム
■緩やかに仕切る子ども部屋■
リフォームプランは小泉誠さんに依頼。完全な個室ではなく緩やかに間仕切られているので、お互いに存在を感じながら良い距離感で過ごすことができます。また上があいていることで空調も増設せずにすみ、工事の負担も費用も抑えることができました。
■竣工期間を短くし工事の負担を軽く■
「共働きのためまとまった時間を取りづらいので出来るだけ家での作業を少なくしてほしい」という要望から、あらかじめ加工場で家具やパーツを加工してから搬入。現場での作業は組立を主とすることで、工事期間を最小限にしました。
「共有の収納ではなく個の空間に自分の収納を作ったことで、子どもが自発的に片付けをするようになりました」と嬉しい報告をいただきました。
取材後記
「子どもと川の字で寝る暮らしが名残惜しく、広い空間を間仕切ることにも抵抗があってリフォームを延ばし延ばしにしていたんです。でもいざ完成してみると「リフォームしてよかった!」というのが素直な感想。子どもが巣立ったら隣の部屋も私がもらおうと思っています」と奥様。子どもの成長は嬉しくも名残惜しくもある・・・その気持ちに非常に共感しつつ、それでも「よかった!」といってもらえて、心がほっと温まりました。
(広報:猪股)