コンパクトに穏やかに暮らす
以前の住まいは築60年を超えた2階建。「もうね、本当に斜めに傾いていたんですよ」と笑顔で話すA様ご家族。
ずっと暮らしてきた愛着のある家の建替え——ウスメーカーの規格住宅を探してもなかなか納得がいかず、建築情報誌を読み込んで理想の住まいを深く考えたそうです。本で知った相羽建設に相談する中で、しまだ設計室の住宅に強く惹かれ、設計を依頼することにしました。

「家族構成や年齢も考えてコンパクトな平屋にしたいというのは最初から決めていました。歳を重ね、物は必要最小限にして、シンプルな空間で穏やかに暮らしたくて」とA様。「最近、家に帰ると本当に落ち着きますね。”やっぱりうちは素敵だね”っていつも家族で話しています」と、新しい住まいに満足していらっしゃるご様子です。



「重ね着」するように街と柔らかく繋ぐ
「設計条件(角地・広い土地・平屋)を考えた時、外との関係性がポイントだと感じました。木ルーバー塀、植栽、腰壁、デッキ等の要素を『レイヤード』(重ね着)するように設え、街と家を柔らかく繋いでいくイメージにしました」と島田さん。言葉通り、室内は大窓のブラインドを引かずとも通行人の視線は気にならず、光と風と庭の景色をとり込み、穏やかな時間が流れる空間となっています。



住み心地を訊ねると、「住んで改めて”丁寧なつくりだな”と感じます。壁や天井が本当に綺麗に仕上がっていて、つい見入ってしまいます。建具がぴたっと納まる感覚も気持ちがいいですね」というA様に、「そういう時間を過ごしてもらえるのは嬉しいです。無意識に体が感じていることで満足感が得られる、改めて職人さんってすごいですね」と島田さん。『レイヤード』に包まれた落ち着いた空間で職人の手仕事を日々感じる。心穏やかで充実した暮らしが窺えます。



“大人家族”のちょうどいい距離感
「家の中央にダイニングを配置し、そのまわりに居場所や個室を設えることで、廊下を設けていません。それぞれの時間を過ごしながらも、お互いの気配が感じられる、引き戸で距離感を調整できるプランです」(しまだ設計室・「レイヤードハウス」コンセプトより)。


収納に関しては、建替えを機にものを減らし、収納量を事前に細かく打ち合わせたそう。各個室に大きな造作収納を設け、個人のものは個室に、その他の季節物の衣類や大きなものは共用クローゼットに収納することで、平屋で小屋裏がなくともすっきりと綺麗に保たれています。





物理的に距離がなくとも互いにちょうどいい距離感を保ち、極力ものを減らしてしっかり管理する——まさに仲のいい“大人家族”のA様ご家族ならではの住まいです。
設計:しまだ設計室
施工:相羽建設…棟梁 徳武 義訓・工事 橋詰 玄
竣工写真:西川 公朗
撮影取材:島田 貴史(しまだ設計室)・中村 桃子・猪股 恵利子(相羽建設)










