100人の言葉100People
現場の職人
思いやりと丁寧な施工で現場を支える、電気屋さん親子の仕事
ゲンバ女子がゆく!こんにちは、職人さん!|第2弾
- 話し手:
- 電気屋・根本電設
根本信一さん・根本桃さん - 建物名:
- 建築現場
People
あいば女性監督(ひぐち・あそう・こいで)がお送りする職人さんインタビュー企画!大工さんをはじめ多くの職⼈さんが携わっている相⽻建設の家づくり。様々な職人さんたちのお人柄をご紹介していきます。
今回ご紹介するのは、親子で職人をしている電気屋・根本電設の根本信一さん、根本桃さんです!
今の仕事を始めたきっかけは?
あそう)相羽建設の家づくりに携わることになったきっかけは何ですか?
根本)独立する以前に2社に勤めていて、1社目で相羽建設の仕事をして、転職して2社目でもまた相羽建設と仕事をしていて(笑)。2社目が廃業しちゃって、そのまま個人で請け負うことになったんです。
あそう)すごい偶然ですね!!(笑)。桃さんはお父さんである根本さんを見て電気の仕事に憧れを持ったんですか?
桃)あんまり覚えてないな。小さい頃からずーっと見ていたので。高校の時は電気科に通っていたから、夏休みに現場に行ったりしていました。
あそう)桃さんから電気科を選択すると聞いた時、根本さんはどう思いましたか?
根本)嬉しい反面複雑な気持ちもあったよね。電気の業界自体先行きどうなるかわからないし、危険がつきものだし。あと自分がやってきた時代は、女性が現場に入るには良い環境ではなかったから、やりにくいんじゃないかなと思って。
桃)実際に「女はできねえよ」って言われたこともあったよね!現場に行くと厳しい対応される時もあるし。相羽建設との仕事ではそういうことは無いけど。
根本)高校入学を決める時期も迫ってきていたので、とりあえず「いいから行ってこい」って背中をおしました。
桃)あと、高校も家からめちゃくちゃ近かったしね(笑)
電気科は40人くらい生徒がいる中で女子は自分1人だけでした。学年としても女子は3人だけ。友達もみんな男の子でしたね。
あそう)争奪戦ですね・・・!
根本)連れてくるのがみんな男で・・・まって!こんな話でいいの?!(笑)
あそう)大丈夫です!皆さんの人柄も知れたらと思うので!
実際に一緒に仕事をはじめてみてどうですか?
根本)環境的にはまだ良いとは言えないけど、女性のスタッフさんも増えて、少しずつ現場も改善されてきている感じがするよね。
ひぐち)私が入社した時は現場の女性といったら桃ちゃんくらいでした。
あそう)あいば女性監督メンバーからすると「桃さんかっこいい!」ってなっています。
仕事のこだわりポイント
あそう)仕事においてのこだわりを教えてください。
桃)表からは見えない配線を綺麗に施工するのは、見せてもいいくらいこだわっているよね。
ひぐち)確かに根本さんの配線、めっっちゃきれい!
根本)あまり意味ないんだけどね。家が完成したら見えなくなっちゃうから(笑)
あそう)でも大工さんからしたら施工のしやすさなど絶対に関係してくると思います!
根本)あ、それはすごく気にして施工しています。あとから現場に入る職人さんたちが仕事しやすいようにって。
あそう)きれいな仕上がりのためには、根本さんたちのきれいな配線があってこそですね!
桃)そういえば、あまり知られていないと思いますが、相羽建設と仕事をしている職人さんの中で実は協働歴が1番長いんですよ。
根本)自分は19歳くらいの時から相羽建設と仕事をしていて、もう40年ちょっとになります。
あそう)そうなんですか!一番お世話になっているんですね。昨年私が現場監督を担当した、あいば広報スタッフの「いとう家」でも根本さんにはとてもお世話になりました。小泉誠さん設計のあの絶妙な配線を陰で支えてくださって、ありがとうございました。
現場でのエピソード
あそう)つぎに、電気の仕事をしていてお客様や一緒に仕事している仲間との嬉しかったエピソードはありますか?
根本)なんだろうな〜、「電気」って意外と大事な部分なんだけどね。
ひぐち)私たちからすると電気って専門知識が必要なところなので、絶対に自分たちでは施工できないし、電気職人さんには信頼を感じています。DIYとかでも家庭用のコンセントをいじったりできないじゃないですか。
根本)そうだね、DIYでやっちゃうと危ないからね。直接お客様と会う機会ってあんまり無いから、そういう喜んでもらった話があれば聞きたいね。
あそう)私たち現場監督は引き渡しなどでお客様に喜んでもらう機会があるけど、職人さんたちは仕事が終わったところでヒーローみたいに去って行くじゃないですか。でもその感じがかっこいいなって思います。その分私たちがきちんとお客様からの声を職人さんたちにお伝えしないとなって。
根本)お客様や仲間から嬉しい言葉を言ってもらえる時もあるんだけどね。今はパッと思い浮かばないけど結構あると思います。
あそう)もし思い浮かんだら教えてください!
ゲンバファッション
あそう)現場ファッションのこだわりはありますか?
桃)どれだけ暑くないかが大事。でも半袖も怪我するからあんまりよくないよね。
根本)安全面を考えると電気屋さんは服装があまり薄くない方がいいね。自分はこの何年かで暑さ対策と動きやすさを追求した作業着に変えていったら、最終的にはランナーと同じ格好になりました。なんせ動きやすくて。
あそう)ハーネスみたいなものもつけていますね!
根本)そうそう、以前は道具を腰につけていたんだけど、下がってきたり足が痺れてきちゃったりして、何か良い方法がないか考えた時に肩から背負ってみたらちょうど良くてね。
根本)どっちにしても重たすぎるのは体によくないですね。そういえば電気屋って昔から道具を自分の体から下げるんですけど、なぜ水道屋はそうしないのか考えたことがあってね。
桃)水道屋さんの場合は道具をバッグに入れているもんね。
あそう)確かに!
根本)電気屋って電柱に登るんですよ。だから道具を下げてたんだけど、今は電柱に登る仕事なんてほとんどないんだけどね。
あそう)なるほど!その名残なんですね。ちなみに桃さんは何かこだわりはありますか?
根本・桃)無いね。
あそう)(笑)
桃)普通にただの作業着です(笑)
職人として目指す姿・これからの目標
あそう)職人さんとして目指す姿はありますか?
根本)自分の場合は職人としての最後をどう締めくくるかっていうイメージだよね。若い頃はマンションや大きい建物にたくさん携わってきたけど、やっぱり最初から最後まで担当できる木造の住宅っておもしろくてね。設計屋さんとも一緒に仕事ができたりするしね。建築業界の中では規模は小さいかもしれないけど、人と人の顔が見える関係で仕事が続けられたらいいなという想いはあります。まあ俺のことより、桃がこの先どうやっていくのかだよね。
あそう)桃さんはどうですか?
桃)とくにないですが、今はとにかく仕事を一人でできるようになることですね。
根本)ひとりでも仕事ができてそれでご飯を食べていけるようになれば、手に職はいいと思う。
ひぐち)私たちとしても今後一緒に仕事をしていく上で、桃ちゃんのように同世代の職人さんがいると心強いです。
根本)同世代の大工さんも頑張っているしね。会社と関係ないところで知り合いだったりもして。
桃)社員大工の本多くんとかね。私が高校に入った時から知っていて今でも飲み友達です(笑)
あそう)そうなんですね!
根本)あんまり夢っぽくない話でしたけど。
あそう)いえいえ!根本さんのあたたかい想いが伝わってきました。ありがとうございました!
Thank you for the interview