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構造材の「手刻み」がはじまりました!|樋口木材PROJECT

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構造材の「手刻み」がはじまりました!|樋口木材PROJECT

「にしたまの家」家づくりコラムVol.2

体験名:
木の個性を活かす「手刻み」の話
話し手:
設計・現場監督/社員大工
樋口 美早紀/小林 優太
場 所:
東京都日の出町

Taiken

こんにちは!相羽建設の樋口・小林です。
現在、上棟に向けて、構造材の手刻みが進んでいます。

木の個性を活かす「手刻み」の話

家づくりにあたり、叶えたかった夢の1つが、構造材の手刻みでした。
手刻みとは、大工が建物の骨格となる柱や梁などに墨で印を付けて、鋸や鉋、鑿(ノミ)などの道具を使って手作業で加工する伝統的な木材加工方法です。

現在ほとんどの新築住宅がプレカットという機械加工を行なっている中、なぜ手間のかかる手刻みをするのか。
それは手刻みは、建物により強度を持たせ、より美しく見せるための気遣いができるからです。

木材に墨付けをし、道具や機械を使って一つひとつ手刻み
木材に墨付けをし、道具や機械を使って一つひとつ手刻み
「にしたまの家」の図面
「にしたまの家」の図面
加工部によって道具を使い分け
加工部によって道具を使い分け

木材は自然の素材なので、節があったり、反りがあったりそれぞれに個性があります。

個性を見極め、適材適所で材料を配置し、最適な加工をすることは手刻みでしかできないことですし、手刻みした箇所は、家の完成が近づくにつれて隠れてしまうので、住み始めてからは見ることは難しいですが、永く住み続けるための大事な技術です。

使う場所に合わせて、木材を選定
使う場所に合わせて、木材を選定
直角に整えられた木材
直角に整えられた木材
それぞれの木材に寸法を記入します
それぞれの木材に寸法を記入します

手刻みで 大事なこと

さて、初の手刻みとなる今回は、マスターズ(相羽建設で長年活躍し、発展・人材育成等に尽力していただいたベテラン職人の名称)の秋山大工さんにサポートいただきながら進めています。

まずは材料を並べて、どの材料をどこに使うかを検討。例えば反りがある材料だったとしても、その反りを打ち消し合う様に配置することで、精度の良い建物をつくることができます。

次に加工のための下書きとなる墨付け。墨付けは、手板と呼ばれる手書きの図面を元に材料に印をしていきますが、墨一本でも付け間違えれば建物は組み上がりませんし、墨の精度が建物の出来に大きく影響してくる工程なので集中力のいる作業です……。

最後は、墨付けをした材料を加工する刻み。鋸や鉋、鑿(ノミ)などを使い、あらゆる形の加工をしています。
秋山さんの持つ刻みをする為の道具は30年以上前から使っているというから驚きです!

マスターズの秋山大工
マスターズの秋山大工
秋山大工と相談しながら
秋山大工と相談しながら
墨付けに使う、墨つぼ
墨付けに使う、墨つぼ
墨付け用の手書きの図面、手板
墨付け用の手書きの図面、手板

このように木材の配置や向き、加工方法には全て理由があり、昔の大工は皆このような気遣いをしていました。プレカットが主流となった今でも、木を無駄なく上手に使う技術として、手刻みは勉強になることばかりです!

手刻みと同時に基礎工事がはじまり、その後はいよいよ上棟です。次回はそんな上棟の様子をお届けしたいと思います。

機械を使ったり…
機械を使ったり…
鋸(のこぎり)を使ったり…
鋸(のこぎり)を使ったり…
継ぎ手部分の確認
継ぎ手部分の確認
掃除も欠かさない秋山大工
掃除も欠かさない秋山大工

樋口木材PROJECTとは?

相羽建設の新しい取り組み「樋口木材PROJECT」では、相羽建設の事業の根幹である地域の「木」、つくり手の「手仕事」、共感する「人」が集い、暮らしの原体験・原風景をつくっていきます。樋口木材は、AIBAスタッフ樋口の実家であり、多摩産材を扱う東京都日の出町の材木屋です。現在廃業している樋口木材の場と材を活用し、ものづくりの工房と暮らしの体験の場づくりをすることで、日の出町の地域や多摩産材の魅力を発信し、仕事と事業を創造します。

特設サイトも、ぜひご覧ください!

Movie

【多摩産材】多摩の木で風景をつくる「樋口木材プロジェクト」|木と手仕事の拠点づくり

相羽建設の設計・現場監督スタッフである樋口美早紀が中心となり、自身の実家の家業である材木屋の製材所やたくさんの多摩産の材木を用いながら、家づくりの素材としての活用や、木と手仕事のものづくり拠点や、価値観が近い人との暮らしの場づくりを計画していきます。

話し手プロフィール

樋口 美早紀

新築住宅事業部|現場監督・設計

樋口 美早紀

好きな食べもの:紅ショウガ。どんぶり、焼きそば…いろんな食べ物にたっぷりのせています。
フリーコーナー:昔からオープンカーに乗るのが夢で、暇さえあれば日本製の車を調べています。最近はクラッシクカーにも興味があり、トヨタのパブリカ、日産のサニートラックが好きでよく見ています。車の知識は全然ないので見て楽しむだけですが…いつか運転出来たらいいなあと思います!

https://aibaeco.co.jp/hito-staff/hito-staff-314/

小林 優太

AIBA社員大工|棟梁

小林 優太

好きな食べもの:甘いもの
フリーコーナー:趣味はサイクリング・工作(家の家具をつくったり)。たまにランニングもします。

https://aibaeco.co.jp/hito-staff/hito-staff-1414/

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