住まいの実例100Life

bunchハウス

建築家と建てる家

bunchハウス

ちょうど良い距離感でつながる家

建物名:
木造2階建て(建築家と建てる家)
場 所:
東京都小平市
住い手:
K邸

Life

今回ご紹介するのは、建替えをされて約1年が経ったK様のお住まいです。お子様二人も成人され、気がつけば元の住まいは築40年に。リフォームするにしてもなかなかの金額がかかるということで、せっかくだから新築しよう!と一念発起、家づくりを始めたそうです。

しまだ設計室とつくる、大人の住まい

ご友人に紹介された「つむじ市」でもらった冊子に掲載された、しまだ設計室の島田さんの自邸・カヅノキハウスの写真をみて「2階リビングの開放的な雰囲気がすてきだなと思い、見学に行かせてもらったんです」と奥様。とてもフットワークが軽く色んな工務店を見学したそうですが、実際に話を聞き、島田さんのつくる空間はもちろん、その人柄や住まいに対する価値観に共感し設計を依頼することに決めました。

設計初期の模型から外壁の色や塀などが変わり、だいぶ印象が変わっています。
設計初期の模型から外壁の色や塀などが変わり、だいぶ印象が変わっています。

大人三人のための新しい住まい。そのみどころや現在の暮らしぶりについてK様と島田さんに伺いました。

リビング2より。斜めの壁が自然と視線をダイニング、リビング1(ソファーコーナー)へ導きます。
リビング2より。斜めの壁が自然と視線をダイニング、リビング1(ソファーコーナー)へ導きます。
島田貴史さん。K様と設計当時のエピソードを振り返りながら。
島田貴史さん。K様と設計当時のエピソードを振り返りながら。

「bunch」のような空間

いつも建主さんの言葉から設計の糸口を見つけるという島田さん。K様と対話をする中で特に印象的だったのが、『同じ空間にいてもそれぞれが楽しめるような居場所がほしい』『庭の緑をぼーっと眺めたい』『リビングに開放感がほしい』『手の届く範囲にものがあるといい』という4つの言葉だったといいます。

こもり感のあるリビング1(ソファーコーナー)より。 ふっと振り返ればひとつながりのダイニング、リビング2が見渡せる、「付かず離れず」の、安心感が感じられる空間です。
こもり感のあるリビング1(ソファーコーナー)より。 ふっと振り返ればひとつながりのダイニング、リビング2が見渡せる、「付かず離れず」の、安心感が感じられる空間です。

「気持ちいい吹抜けを中心に家族の居場所を点在させて、それぞれがちょうどいい距離感でつながることをイメージしました」と島田さん。1階は開放的な家族のスペースとしてダイニングにつながるリビングを2つ設け、2階には3つの個室を配置。家族がその時の気分で居場所が選べ、お互いの気配を感じながらも干渉しあわない——果実の房のようにつながり、包まれ感がありながら、個々に心地よい居場所がたくさんできればと『bunchハウス』(bunch=房)と名付けられたそうです。

吹抜けの下はダイニングスペース。明るく開放的で、まさにこの家の中心です。吹抜けを囲むように家族の居場所が配置されています。
吹抜けの下はダイニングスペース。明るく開放的で、まさにこの家の中心です。吹抜けを囲むように家族の居場所が配置されています。
キッチンからの眺め。吹抜け上部の大きなFIX窓が日差しを1階に落としてくれます。明るく気持ちがいい景色に家事も捗ります。
キッチンからの眺め。吹抜け上部の大きなFIX窓が日差しを1階に落としてくれます。明るく気持ちがいい景色に家事も捗ります。
広々とした対面キッチン。「以前は壁付でしたが、景色を見ながらゆったり料理がしたいと思って対面を希望しました」と奥様。
広々とした対面キッチン。「以前は壁付でしたが、景色を見ながらゆったり料理がしたいと思って対面を希望しました」と奥様。
角のソファースペースにはペレットストーブも。ほぼ正方形ソファーからまさに“手を伸ばすと届く範囲”に本やDVDが並べられる棚が。
角のソファースペースにはペレットストーブも。ほぼ正方形ソファーからまさに“手を伸ばすと届く範囲”に本やDVDが並べられる棚が。

居心地の価値観

「新しいから綺麗、というわけではなくて“在りよう”が美しいと思うんです。ふっと見た線がぴしっと揃っている、そういうところに見惚れて気持ちが安らぎます」と住まいの魅力を語ってくださったK様。島田さんはそれを『居心地の価値観』と表現されました。「居心地の価値観は人ぞれぞれ。そこに共感していただけるのは設計者冥利に尽きますね。今回担当された監督や職人さんも想いを汲んでしっかり納めてくれています」と島田さん。

2階は吹抜けを囲うように個室を配置しました。吹抜け横の陽が燦々と入る2畳ほどのスペースは家事室に。日々の室内干し、冬は日向ぼっこスペースとして大活躍だそうです。
2階は吹抜けを囲うように個室を配置しました。吹抜け横の陽が燦々と入る2畳ほどのスペースは家事室に。日々の室内干し、冬は日向ぼっこスペースとして大活躍だそうです。
各個室にはエアコンを設けず、夏場は小屋裏を1台で冷房、小屋裏の空気を排気ファンで各個室に送るという空調方式を採用しました。
各個室にはエアコンを設けず、夏場は小屋裏を1台で冷房、小屋裏の空気を排気ファンで各個室に送るという空調方式を採用しました。
奥様のお部屋
奥様のお部屋
娘様のお部屋
娘様のお部屋
ご主人のお部屋。北側の天窓からは柔らかい光が落ちてきます。
ご主人のお部屋。北側の天窓からは柔らかい光が落ちてきます。
庭には小道が通り、外から見ると木々が層となりより濃く見えます。 木々のレイヤーによって塀がなくとも室内が見えにくくなっています。
庭には小道が通り、外から見ると木々が層となりより濃く見えます。 木々のレイヤーによって塀がなくとも室内が見えにくくなっています。

ちょうどいい距離感と細部へのこだわりが心穏やかな時間を与えてくれる大人の住まい。以前に増して『丁寧に整える』という意識を新しい住まいに気づかせてもらったと笑顔で語るK様から、充実した暮らしが伺えました。

外構・造園はワイルドグリーンさんがデザイン施工。K様も何件か施工事例を見学され、塀がいるかいらないかなど、一緒に検討されたそうです。
外構・造園はワイルドグリーンさんがデザイン施工。K様も何件か施工事例を見学され、塀がいるかいらないかなど、一緒に検討されたそうです。
“ぼーっと緑を眺める”という当初の希望が形に。 1階はどの場所からも緑が見えます。
“ぼーっと緑を眺める”という当初の希望が形に。 1階はどの場所からも緑が見えます。

Movie

【ルームツアー】建築家とつくる大人の住まい「bunchハウス」|しまだ設計室×相羽建設

設計者の島田貴史さんと一緒に住み始めて1年経った「bunchハウス」を訪ねた様子、ぜひ動画でご覧ください。

設計:しまだ設計室
竣工写真:西川 公朗
施工:相羽建設
棟梁・徳武 義訓
工事・橋詰 玄
造園:ワイルドグリーン
撮影取材:島田 貴史(しまだ設計室)、伊藤 夕歩・猪股 恵利子(相羽建設)

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