住まいの実例100Life
木造一戸建て
山道の景色をきりとって
庭の緑を取り入れた、暮らしにちょうどよい住まい
- 建物名:
- 木造一戸建て
- 場 所:
- 東京都北区
- 住い手:
- S邸(ご夫婦2人)
Life
雨がやんだあとのしっとりとした空気感の中、北区にお住まいのS様ご夫婦の家を訪ねました。奥様のご両親から引き継いでずっと暮らしてきた家を建て替え、今の家に住みはじめてちょうど10年が経ちます。
家づくりストーリー
もともと共働きだったお二人。「定年後は家にいる時間が増えるだろうから、過ごしやすい家にしたいと思って家づくりを考えはじめたんです。そんな中、ちょうど本屋で目に留まったのが建築家、永田昌民さんの『大きな暮らしができる小さな家』という本でした」と、S様はその内容にとても共感。
敷地いっぱいに家を建てるのではなく、庭の緑を取り入れつつ暮らしに必要な分だけの居住空間を希望し、延床面積25坪ほどのちょうどよい住まいが完成したのです。
山荘のような景色
S様の家のみどころの一つは、なんといってもリビングから眺める緑いっぱいの庭の景色。深緑の中に少しゴツゴツした敷石の通り道があり、まるで山荘にいるかのような感覚。ご夫婦ともに山の中を歩くのが大好きで、お二人が初めて出会ったのも山歩きの会だったという素敵なお話もいただきました。庭づくりをする際に、造園の方にそのことをお伝えすると、山の中の雰囲気に合わせた植栽選びをしてもらえ、山道の風景をきりとったような庭ができあがりました。
今では庭のお手入れを日々楽しまれているという奥様。「お庭が完成したら鳥がよく遊びに来るようになったんですよ。それに自然と風に乗ってやってきた種から芽が出てくることもあって、何が育つのか楽しみで♪」と笑顔でお話してくださいました。ちょっとした日々の変化を身近に感じながら、ゆったりとした時間が流れているS様の暮らし。
1階リビング・ダイニング
1階はLDKのワンルーム。吹抜けのダイニングは明るい光が差し込む開放感あるスペース。一方リビングは天井を低めにしたちょっと落ち着いた空間。
窓辺の椅子に座って庭を横目に「新聞や本を読んだりCDを聞いたりするのが幸せ」と奥様。
他にも古道具や奥様のお父様の家の襖を加工してつくった大きな額装など、部屋の中には素敵なポイントがたくさん!
2階スペース
階段を上がると左には半個室になったご主人の書斎。吹抜けから1階や庭の様子眺められます。
そして廊下横の壁を利用した棚には本がたくさん並んでいました。階段横にはショーケースがあり、奥様が香港出張の際に購入したという嗅ぎタバコの入れ物や奥様のお父様が使っていた茶器などが飾られていて、ここだけ小さな美術館のよう。収納や飾り棚など、ちょっとした工夫で廊下が華やかになっています
建物・空間紹介
取材後記
ちょうどこの日はS様の家の10年点検。われらがメンテナンス・リフォーム部の佐々木も取材に同行しました。家も人と同じで定期的な健康診断を行うことで、万が一のことがあっても早期発見で防ぐことができます。ずっと住み続けていく家だからこそ大事にしたいものです。「毎年点検に来てもらえるのでとても安心」と家を大切に思うS様の言葉に、なんだかとても温かい気持ちになったのでした。
(記:広報 吉川)