住まいの実例100Life
木造一戸建て
旅で訪れた場所のように
『景色が見渡せる屋上』、『キッチンからすぐ庭へ降りられる階段』ご夫妻の希望をかたちにした住まい
- 建物名:
- 木造一戸建て(建築家と建てる家)
- 場 所:
- 木造一戸建て
- 住い手:
- A邸(ご夫婦2人)
Life
取材に訪れたのはちょうど梅雨の時期。紫陽花から雨のしずくがしたたる様子を眺めながら小径を歩いていくと、そこにA様のお住まいはありました。「こんにちは」。チャイムを鳴らすとご夫婦が笑顔で迎えてくださいました。
家づくりストーリー
以前は団地住まいだったA様。室内の広さや結露が気になっていたこともあり、そろそろ……と家づくりを考えはじめました。設計はアトリエ・アンド・アイさん。プランはほとんどおまかせでしたが、その中でもご主人は『景色が見渡せる屋上』、庭しごとが大好きな奥さまは『キッチンからすぐ庭へおりられる階段』を希望されました。
この場所を見つけ、家を建てる前からもトマトなどの野菜を育てにちょくちょくここへ来ていたという奥さま。ご近所さんとも仲良くなり、この土地での植物の育て方を教えてもらったり、野菜を分けて頂いたりしたのだとか。出会った土地と人がつながった素敵なエピソードです。
旅先に訪れたような・・・
玄関から続くゆるやかな勾配の階段を登っていくと、壁一面に大きな窓のある空間が広がっていました。窓からの景色、絶景です。さらに寝室、ダイニング、リビング、ワークスペース……とスキップフロアで各部屋がつながり、それぞれが仕切られること無く螺旋状に続いているのです。階段をのぼるたびに、まるで外国の山岳都市の街並みの中にいるようなトリップ感!……胸が高まります。壁にはほんのり透け感のあるポリカーボネート。夜になると室内からぼんやりと灯りがもれ、外から見たときにとても綺麗に見えるそうです。内も外も両方楽しめるお住まい。念願の家を建てたA様ご夫婦は「ゆったりとした空間で過ごすようになり気持ちにも余裕ができました。あとは毎日家に帰ると旅に来たような気分になるのも嬉しいです」と新しい住まいでの暮らしをお二人で楽しまれているご様子でした。
キッチン
自宅でパンを作ることもあるという奥さま。「キッチンが広くなったので、生地もどーんとおもいっきり広げられるのが良いです」と笑顔に。以前の家で使っていたMUJIのラックもぴったり収まるように設計されていました。キッチン奥のパントリーは階段状になっていて、食品や小物を置くスペースとしても便利。「段差になっているところに足をかけて棚の上のものをさがしたり、お料理している途中でちょっと一息つきたいときに座れるのが嬉しいです」と奥さま。他にもオートミルやコーヒーメーカー、可愛い紅茶の缶が並んでいて、ティータイムが待ち遠しくなるようなキッチンです。
ワークスペース
リビングダイニングを見下ろせる仕事場。必要に応じて下の部分を閉じることもできます。壁側にあるハンス・J・ウェグナーの白いソファは、奥さまが一人暮らしをされていた頃からずっと大事に使っている家具です。永く使っているのにとても綺麗なソファ。使い手の丁寧さ・気持ちに家具も応えているかのようでした。
それぞれの趣味
骨董市に足を運んで、陶器のカケラを集めている奥さま。室内ではカケラをそのまま並べたり、ご自身で金継ぎした作品が飾られています。ご主人はライカとハッセルブラッドのカメラで、出かけた時に写真を撮って楽しんだり、最近では近所の猫をパシャリと。大切にされているカメラはまさに宝物です。
設 計:アトリエ・アンド・アイ
施 工:相羽建設株式会社
写 真:相羽建設株式会社広報部
取材後記
住みはじめて間もないA様ご夫婦。北側の大きな窓から見えるモミジが、ちょうど新芽を出していて「モミジの新芽ってピンク色なんだ!」と、この家だからこその発見と感動もあったり。「この家では”夏・秋・冬”をまだ体験していないので今からとても楽しみです」とA様。これからもまた、たくさんの新しい発見がありそうです。