住まいの実例100Life
マンションリフォーム
くらしごと×マンションリノベ
家具デザイナー 小泉誠さん 設計 定年後、第二の人生の拠点づくり
- 場 所:
- 東京都国分寺
- 住い手:
- S邸(ご夫婦)
Life
今回訪れたのは国分寺市のS邸。ご主人の定年後にフリーの編集者として家で仕事をする機会が増えたこと、長年住んでいたマンションの居室の傷みが気になっていたことが重なり、ご自宅を改修されました。設計を担ったのは家具デザイナーの小泉誠さん。S様が編集のお仕事で長年協働してきたデザインプロデューサーのジョースズキさんが小泉さんとのご縁をつないでくださったそうです。「実は小泉さんが空間デザインされた国立市のtama cafeに、以前から家族でよく訪れていたんです。こいずみ道具店の存在も知っていましたが、 自宅改修にあたって、ジョーさんから小泉さんを紹介してもらい、全てが繋がっていきました。小泉さんが設計した住宅を実際に見学して、ぜひ家づくりの設計をお願いしたいと思いました」とS様。家と暮らしへの想いや建築の経緯、これからの展望を伺いました
家づくりは驚きの体験!シンプルな素材で密度のある空間に。
ご自身もお仕事でたくさんの住宅を取材されてきたS様。今回初めて家づくりをする立場になり、小泉さんとの打ち合わせを重ねていく中で、新たな発見や驚きの連続だったといいます。「小泉さんから空間デザインのスケッチを見せてもらい『すごい!』とワクワクしたものの、当初は図面や工程表、素材の資料を見てもイメージが掴みきれなかった。打合せを重ね、現場の工事が進んでいく中で、小泉さんの提案やデザインと私たち夫婦のイメージがぴったり合致するタイミングが多くなり、だんだんとお互いの信頼関係が深まっていった」と当時を振り返ります。
「せっかく小泉さんに設計をお願いするのであれば、小泉さんらしさを存分に発揮した空間にしてほしい」と考えていたS様。大きな方向性やデザインをお任せしながら、キッチンや収納など、日々の使い心地につながる要望も随時すり合わせをしていったそう。「実は家族の思い出が詰まったソファやテーブルは今まで使ってきたものをそのまま置く予定でした。でも工事が進むにつれて質感が高く密度のある空間が現れてきて、『ここに小泉さんの家具を置きたい』という想いが強くなり、家具を新しくする決意をしました」とS様。現場監督の佐々木の家で小泉さんデザインのソファを試したり、旅先のホテルで出会ったアルコーブの心地よさを小泉さんに共有した中から、「大工の手」でつくる新作ソファが実現しました。
住まいと共にこれからの暮らしもリノベーション
ソファのクッションの色は、ご夫妻の出身地である山梨県大月市の初夏の山の萌葱色と、大好きな北欧の暮らしからインスピレーションを受けて鮮やかなグリーンに。サイドテーブルと柱は、ご実家に眠っていた古材を加工して大工さんの手仕事で製作。完成した空間の中で、ソファや古材にS様らしさが現れて、美しい象徴となっています。「住まいや暮らしをつくる機会に、家族にもふれて欲しい」と、独立して別の場所で暮らす2人の娘さんにも現場での打合せに参加してもらったそうです。
ご自身の定年退職・独立起業のタイミングで自宅のリノベーションを実現したS様。住まいを見つめ直すことが、第二の人生や暮らし方、考え方のリノベーションにもつながり、「家づくりの途中」を心から楽しむことができたと笑顔で振り返ります。「小泉さんや相羽建設のみなさんとの出会いが、私たちのこれからの時間や取り組みに繋がったら嬉しい」とお話しくださいました。改修中は大月のご実家にお住まいになり、上京して以来の久しぶりの長期滞在となったそう。完成した東京のご自宅と山梨のご実家を行き来して、2拠点居住のライフスタイルも思い描いているのだとか。新たな暮らしやお仕事を通しての出会いや体験を、これからも教えていただけたら嬉しいです!
Movie
【ルームツアー】小泉誠さん設計のマンションリノベーション(築30年・古材活用・大工の手)
今回ご紹介するのは、築30年のマンションの3LDKの住居リノベーション。家具デザイナーの小泉誠さんが設計・デザインをされ、建築工事を相羽建設で行いました。
設 計:小泉 誠+Koizumi Studio
施 工:相羽建設株式会社
現場監督:土屋 晃・佐々木 清
大 工:山本 武史
写 真:Koizumi Studio(一部相羽建設)
取材・編集:伊藤夕歩・中村桃子
仕上
床:パイン材
内壁・天井:珪藻土クロス貼り