小林賢二の庭百景

造園家 小林賢二さんによる、
四季折々の植物をご紹介する
スペシャルブログです。

季節植物

信州で見かけた地味な花

先週、信州滞在で見かけた地味な花三つ

●クルマバソウ
志賀高原、標高2000mを超えるとまだまだ冬景色でしたが、中腹あたりは新緑まぶしく感極まる美しさ。
ふだんゴールデンウィークの頃に出かけることがなく、未体験の春色の光景を堪能しました。
新緑の林の入口で群生していたのがこれ。はじめて見る花です。
調べて、クルマバソウかクルマムグラか、おそらく前者で間違いないと思います。
かけ足の志賀高原通過でしたが、心洗われるひと時でした。

もう少し上の方のシラカバやカラマツの自然林
これから春本番がやってきます。


●マルメロ
温泉街の人気の少ない路地で出会いました。
信州の一部ではカリンと呼んでいる地域もある、よく似た実をつける木ですが別属の別種とのこと。

侘びる花ではないと思いますが,うらびれた路地で全く着飾ることなく立っている様子、咲いている様子にとても惹かれました。
時代遅れの男のような佇まい?
めずらしく同行の友人と家人にも見せたくて呼び寄せたほど。

花が咲いてなければ何の木かわからなかったであろう素朴な木姿も、ふだんの自分の仕事をかえりみて、思うところあるいい出会いでした。


●ニシキギ
こちらは地元上田のアネックスオフィスのアプローチ
ニシキギは東京辺りでは紅葉の色が冴えないせいか、そんなには見かけない、私の造園でも出番のない木ですが、
信州では紅葉の美しさを楽しめるので、ドウダンツツジと並びあちこちで見かけられます。

実と紅葉と比べて、あまり鑑賞目的にされていない今の季節の花が実はとても可愛く、
これを窓辺に生けて楽しむ感覚、身内の仕業とはいえ素晴らしく、癒されます。

切って生けて楽しむのも、写真に撮って楽しむのも、とてもいい花の楽しみ方とよく思うようになってきました。

☆☆☆

KOBAYASHI KENJI ATELIER
Website:https://kobayashi-atelier.com/
Instagram:https://www.instagram.com/kobayashi_atelier/

小林 賢二

小林 賢二
造園家

ランドスケープデザインや環境アート、彫刻、陶芸など、街や生活空間にさまざまな風景を生み出している。1964 長野県上田市生まれ。1986 明治大学工学部建築学科(神代研究室)卒業。1989 桑沢デザイン研究所スペースデザイン科卒業。 剣持デザイン研究所、苑環境計画 勤務。1993 小林賢二アトリエ設立。