小林賢二の庭百景

造園家 小林賢二さんによる、
四季折々の植物をご紹介する
スペシャルブログです。

庭造り植物

松庵の家

建築設計:市中山居さん、相羽建設施工の杉並区松庵の家

梅雨の合間を縫って、造園も昨日に無事にお引き渡しできました。

昔ながらの広い庭の一部を解体しての新築、
残った木々を生かすのはもちろん、既存の石を動かしたり再構成したり、ささやかながら新たに持ち込んだ草木と石で調整して、建築まわりをグルッと修復しながら、2本の見事な五葉松を中心にした既存の風景との関係を再構築するような仕事です。

門扉前にあった大石を動かして導入部を広げて、既存の飛石と似た雰囲気の鉄平石を並べて、外壁に調和する錆色の沓脱石で構成したアプローチ。
低木や下草も既存の庭とのつながりで、サツキ、ヤツデ、アセビ、シラン、ギボウシ、ツワブキ、ヤブコウジ、一部敷地内からの移植もして、やがて自然に馴染んでいくように植栽しました。

芝に覆われてたポスト下に三角の鉄平石を入れようと持ち込んだら、芝の下に玉石敷きが埋もれていたので急遽これを活かしたデザインに変更しました。
狭いスペースに上手に枝葉を広げる樹形を探した、まだ初々しいヤマモミジが新しい庭のポイント。

玄関からデッキに渡る東の路地、
工事で傷んだ地面にはヤマアジサイ、ガクアジサイ、ギボウシ、ホトトギス、シュウメイギク、サギゴケなどを加えて、相木石・庵治石などを混ぜた野面の飛石で穏やかな景色に。

並行するウッドデッキと五葉松の狭間に、呼応して伸びる白御影石と、

相木石(亀甲石)を2石組み合わせた沓脱石が小さくとも効いたアクセントになっています。

元々あった庭に寄り添いながらも、
ささやかにも個性を出そうとする性は生き生きとした風景づくりに役立っているだろうと、グルッとまわって確かめながら現場を後にしました。

☆☆☆

KOBAYASHI KENJI ATELIER
Website:https://kobayashi-atelier.com/
Instagram:https://www.instagram.com/kobayashi_atelier/

小林 賢二

小林 賢二
造園家

ランドスケープデザインや環境アート、彫刻、陶芸など、街や生活空間にさまざまな風景を生み出している。1964 長野県上田市生まれ。1986 明治大学工学部建築学科(神代研究室)卒業。1989 桑沢デザイン研究所スペースデザイン科卒業。 剣持デザイン研究所、苑環境計画 勤務。1993 小林賢二アトリエ設立。