小林賢二の庭百景

造園家 小林賢二さんによる、
四季折々の植物をご紹介する
スペシャルブログです。

その他季節植物

半夏生

二十四節気のひとつ「夏至」から数えて11日目にあたる今日が雑節「半夏生」

この頃までに田植えを終わらせる大切な節目になっていたそうで、無事に田植えを終えた後に神様に感謝して農作業を休んで休息をとる時期でもあったそう。
夏前の造園工事を一通り終えた当方も、やや休息気味の期間になっています。

二十四節気や雑節の中でも「半夏生」に馴染みを感じているのですが、それは「ハンゲショウ」という植物が好きだから。

2017年7月2日 つむじのハンゲショウ

ドクダミ科ハンゲショウ属の落葉性多年草
基本的な性質はドクダミに似ますが、それほど暴力的には増えないので庭の片隅にあって梅雨に涼しげな表情を添えてくれます。

水辺などにも自生して湿潤な環境を好み、日当たりにも日陰にも育ちますが乾燥は嫌うようです。
つむじに入れたのも数年は少しづつ株を増やしていましたが、最近見た様子では東京の暑さに耐えられず消滅していました。

下の写真は、高崎で9年前に造園した庭に入れたハンゲショウのその後の様子。
やや陽だまりのスペースで、葉を白くする時期も早まるようで、葉色も日陰で育ったものより明るく映ります。風情は日陰にあった方が勝るかも。
ここは水鉢からも水をくれたりしているお陰で今年も増殖を続けていました。

2024年6月2日
2026年6月19日

以下は20年以上前に書いた拙文、
10年前にここに載せてましたが再掲させていただきます。好きなので。。

●ハンゲショウ

花の時期に先端の2~3枚の葉が白色化する。これが鮮やかに白い。
季節を表す「半夏生」、半分化粧しているから「半化粧」と語源に二説あるが、私の軍配は「半化粧」。断然「半化粧」と書きたい。
葉を白くする理由が虫を集めるためだとすれば、なんて大ざっぱで単純明快な発想だろう。地味な花のデザインの開発には努めずに、花の近くにある葉の葉緑素を抜いて白くしてしまった。素晴しい。その白い葉のほうに花はこうべを垂れている。
一枚の葉全面を白くしないのは何故か? 光合成活動を完全に放棄してしまうことへのためらいか。否、あまり細かいことは気にしていないのだろう。そこがまた素晴しい。
大らかな発想のおかげで遠目にも鮮やかな白が映えて美しい。
見習わないと。

2004.06.28記 「元祖好日の庭」にて

☆☆☆

KOBAYASHI KENJI ATELIER
Website:https://kobayashi-atelier.com/
Instagram:https://www.instagram.com/kobayashi_atelier/

小林 賢二

小林 賢二
造園家

ランドスケープデザインや環境アート、彫刻、陶芸など、街や生活空間にさまざまな風景を生み出している。1964 長野県上田市生まれ。1986 明治大学工学部建築学科(神代研究室)卒業。1989 桑沢デザイン研究所スペースデザイン科卒業。 剣持デザイン研究所、苑環境計画 勤務。1993 小林賢二アトリエ設立。