住まいの実例100Life

木造一戸建て
『にしたまの家』
夫婦二人三脚でつくる、地域に根ざす暮らし
夫婦二人三脚でつくる、地域に根ざす暮らし

樋口さんは、ご実家が西多摩地域で材木屋を営んでおり、2年ほど前に相羽建設の新事業として『樋口木材プロジェクト』を立ち上げました。
にしたまの家では、樋口木材の多摩産材をふんだんに使い、同じ地域で自分たちらしい家づくり・暮らしづくりを目指しています。
ゆったりとした敷地に佇むおおらかな平屋の家。1歳になった娘さんと、新たな場所での暮らしについてお話しを伺いました。
くつろぎの時間も
日々の慌ただしさも
受け止めるおおらかな空間


家づくりを考え始めたタイミングは結婚後1年くらいというご夫妻。
西多摩地域に赴くことが増える中で、二人にとって馴染みの場所になったこと、どちらかの実家に近い方が生活しやすいと考えたことがきっかけとなり、移住を決意しました。
家の中央に位置するリビングダイニングいっぱいに設置された本棚は、本や漫画が大好きな樋口さんらしい設計です。「家は、家族の暮らしの箱でありながら、家族の成長や日々の暮らし、慌ただしさも含めて受け止めてくれるような空間を思い描いて設計しました」と樋口さん。ゆったりとくつろぐ空間でありながら、シンプルな間取りならではの汎用性、家族の暮らしに合わせて変化させられるおおらかな空間が魅力的です。一番お気に入りの場所をお二人に伺うと、なんと揃って『リビング北側の畑に面した吐き出し窓の前』との回答。畑越しに朝焼けを見る時間がお気に入りだといいます。「娘もこの窓から雨をじっと見ていました。時間や季節の経過を感じられる場所です」と樋口さん。リビングと、ロールスクリーンで仕切ることができる子ども部屋は、娘さんの成長に合わせて壁で仕切ることも想定されているおおらかな空間。水廻りや収納はコンパクトに集約して、生活の場とくつろぎの場が家の東西で左右対称に分けられています。ダイナミックな間取りも、にしたまの家の大きな特徴です。





夫婦二人三脚の家づくり
応用の効く技術や手法を学ぶため、小林大工が手刻みでの家づくりに挑戦しました。教えてくれたのは大ベテランの秋山大工。墨付けという木材に線を入れる作業は小林大工が行い、刻みと言われる木を切る作業を秋山大工が担いました。「手刻みは建ててみないと正しいかどうか分からず、常に緊張感がありました。工期が迫る中で集中して追い込んだことが印象に残っています」と小林大工。手刻みの他にも断熱性能の強化にもチャレンジしており、UA値0.31ほどの性能を実現しています。








夫婦で左官体験をしたり、コルクタイルを貼ったり、自分たちの手で家をつくっていく感覚があったというお二人。実は古民家改修での家づくりも視野に入れていたほど古い家の雰囲気や昔の街並みが好きなのだといいます。「地域の材で、地域の人によってつくられた家は、気候風土や材に対して最適な構法・デザインでつくられています。そういった昔の家のあり方に共感しています」と小林大工。
にしたまの家も、家族で大切に育て、いずれはビンテージの住宅として残っていく住まいとなることでしょう。今後は大工仕事のための小さな小屋を庭に建てたり、庭先で無人販売を行ってより地域に根ざした暮らしがしたいというお二人。
毎月暮らしのコラムを連載していますので、今後もお二人の暮らしぶりにご注目ください!
関連動画
設計施工:相羽建設株式会社
担当
設計・監督:樋口美早紀
棟梁・監督:小林優太
営業:新次郎
撮影・取材:伊藤夕歩・吉川碧・中村桃子
●建築概要
竣工 2025年4月
敷地面積:308.32㎡(93.08坪)
延床面積:79.49㎡(24坪)
【仕上】
屋根:ガルバリウム鋼板
外壁:スギ板縦張(ウッドロングエコ塗装)
窓:アルミ樹脂複合サッシ、木製サッシ
天井:白洲漆喰・月桃紙
内壁:白州漆喰・月桃紙・タイル
床:赤松・コルクタイル
設備:壁掛けエアコン・第1種換気(全熱交換)・太陽光発電
【性能】
耐震性能:耐震等級3(構造計算)
断熱性能:UA値0.31(HEAT20・G2)


