住まいの実例100Life
木造一戸建て
草木が彩るless is moreな家
建築士自邸・目指したのは「ちょっとだけ格好がつく普段着の家」
- 建物名:
- 木造一戸建て
- 場 所:
- 東京都国立市
- 住い手:
- 中村邸(ご夫婦+お子様1人)
Life
今回ご紹介するのは、竣工から2回目の春を迎える中村邸。当社設計部の中村健一郎さん自らが設計し、奥様と娘さんの3人でお住まいです。建築士の自邸と聞くと、どんなお宅なのか気になるところですが「特別なことはしようとは思わなかったですね」と健一郎さん。目指したのは“ちょっとだけ格好がつく普段着の家”だそう。
ストーリー
賃貸の団地に手を入れながら暮らす中で「東京オリンピックを我が家で見よう!」とご夫妻で思い立ち、同じ国立市内で土地を探し始めました。この場所はやや予算オーバーでしたが、駅から徒歩圏内のため「車を持たないことで今後想定していた車の維持費を土地代に回わせるかなと」(健一郎さん)、購入。どうしても欲しかったという庭は、造園家・小林賢二さんに依頼し、隣家が迫る南側ではなく、道路側で開けた北側に設けました。「鳥や猫が遊びに来るんですよ」と奥様。様々な変化がある庭の話題で、自然と会話が増えるそう。夏に収穫したブルーベリーをジャムにするなど、四季折々を楽しむ中村邸の夏と冬の様子をご覧ください。
吹き抜けがあるのびやかなリビング
豊かなお庭に面した1階の北側がリビングです。リビングは奥様ご希望の吹き抜けや、緑を望む大きな窓のお陰で開放的。窓を開け放つとリビングとデッキがひと続きになり、外と一体に。優しい陽を届けてくれる高窓からは「夜には月や星が見えるんですよ」と奥様が教えてくださいました。北側で吹き抜けもあると冬の寒さが気になりますが、OMソーラーの補助暖房のみでも、裸足で過ごせるほど暖かいそう。
以前はエレベーターがない4階にお住まいだったため、娘さんとのお出掛けが大変で外が遠のいていたそう。現在は気軽に出掛けられる環境となり、近所の図書館や畑にほうれん草を収穫しに行くなど、戸建の暮らしを満喫していらっしゃいます。
中村邸にはテレビがありません。その代わり、プロジェクター用に設けた白くて広い壁に投影。かつての旅先で気に入り探したハンス・J・ウェグナーのソファに腰掛けて、テレビや映画を見るのが一家の楽しみです。
住まいのみどころ
■ライフスタイルに対応する2階空間■
図書室と将来の子ども部屋は、アール天井の吹き抜けを介してリビングとつながります。娘さんが小さいうちは空間を仕切らず、奥様が奏でるメロディーに合わせて娘さんが歌ったり踊ったり、ハンモックに揺られたり、のびのびとお住まいです。
■お気に入りだけのミニマルな生活■
マットや必要以上の家電がなく、常に片付いた状態の中村邸。たくさん設けた収納は、無印良品のケースが収まるように奥行きを深くしたのがポイントです。物数が少ない分、一つひとつのセレクトにこだわり、旅の思い出などが詰まっています。
Movie
ちょっとだけ格好がつく、普段着の家|相羽建設・建築士の自邸
相羽建設の建築士である中村健一郎さんの自邸。自らが設計し、奥様と娘さんの3人でお住まいです。「建築士の自邸」と聞くと、どんなお宅なのか気になるところですが「特別なことはしようとは思わなかった」と中村さん。目指したのは“ちょっとだけ格好がつく普段着の家”だそう。車を持たずに駐車場のスペースに庭をつくろうと、造園家の小林賢二さんに庭づくりを依頼しました。
吹き抜けのある伸びやかなリビングを中心に家族が居心地よく暮らす「中村さん家」。ぜひ動画でご覧ください!
撮影:西川公朗(一部)
取材後記
ベランダもない中村邸。奥様は当初ベランダがない暮らしを想像できなかったと言いますが、花粉症なこともあり「乾燥機があれば十分」という考えに至ったそう。物が溢れる我が家を見つめ直すいい機会に。取材へのご協力をありがとうございました!(記:ライター大川)