住まいの実例100Life

小さく建てて、のびのび暮らす家

木造一戸建て

小さく建てて、のびのび暮らす家

家族の理想が詰まった「平屋×庭」の暮らし

場 所:
東京都東大和市
住い手:
A邸(ご夫婦・お子様2人)

Life

今回訪れたのは東京都東大和市のA邸。
売却することを前提に住んでいた小金井のマンションから、地域を変えて平屋の家を建てて移り住みました。

「マンションやアパートで暮らして、近所への配慮で子ども達を目一杯遊ばせることができなかったんです。今は鬼ごっこをしたり、お隣の家族と一緒に庭で肝試しをしたり、のびのび遊んでいます」と奥様。

初めは、以前住んでいた地域で人間関係もできていた中で、違う地域に引っ越すことに抵抗感があったといいます。

「子ども達が転校・転園することに不安はありましたが、すっかり馴染んでいます。子ども達が小学生と未就学児で家にいる時間が長い時期に家族の拠り所となる自宅を建てることが叶い、嬉しいです」とご主人。

実際に住んで感じたことや、以前の暮らしと変わったこと、これからの展望を伺いました。

小林賢二さん造園の広い庭のある家
小林賢二さん造園の広い庭のある家

家族の居場所が点在する平屋

家づくりを考え始め、同じ小金井エリアで土地探しをしたり、建売住宅も見に行かれていたというA様。
そんな中、以前からファンだったという伊礼智さんの本を読んで、相羽建設を知ったといいます。

当初は2階建ての家をイメージしていましたが、エリアを変えたことで同じ予算で広い土地が見つかり、動線を相談しながら、歳をとった時のことも考えて平屋の家づくりを依頼されました。

「A様はご夫婦共に設計の仕事をされており、家づくりにあたって明確なビジョンをお持ちだったのが印象的でした」と設計の中村。

プロ目線で間取や仕様は具体的にどうかということではなく、『子どもと家で目一杯鬼ごっこしたい』、『一階に縁側を設けて、庭を眺めながらゆったりと過ごす時間を大切にしたい』といった、住んだあとの情景やストーリーでした。

その言葉たちを大切に共有しながら、一緒に空間を組み立てていけたのがとてもよかったと中村。
土地探しからご相談いただいたことで、家の理想と照らし合わせながら土地選びができたといいます。

おもちゃで遊ぶのは小屋裏と決めることによって LDKが散らかることがないそう
おもちゃで遊ぶのは小屋裏と決めることによって LDKが散らかることがないそう
空間の変化をつけるため小屋裏の床を赤い絨毯に
空間の変化をつけるため小屋裏の床を赤い絨毯に

「LDKが中心の間取りは、どこにいても家族の気配があり、座れたりくつろげる場所が点在しています。大きな木製サッシから庭をながめて、季節のうつろいを感じられることもお気に入りです」と奥様。

息子さんにお気に入りを伺うと、小上がりの畳スペースと教えてくれました。

木の床は冬になると縮んで夏になると隙間がなくなり、まるで生きているようで愛着が湧いたそう
木の床は冬になると縮んで夏になると隙間がなくなり、まるで生きているようで愛着が湧いたそう

「ソファ上の格子も気に入っていて、廊下に自然光を採り入れられる他にも、斜めから見ると見えないのに、正面から見るとテレビを見ることができるので、毎朝歯を磨きながらテレビを見ています。壁に映る影も綺麗です」とご主人。

回遊動線が確保されたLDKは、小上がりや格子、キッチンカウンターなどの収納によって緩やかに空間が仕切られ、家族と心地良い距離を保てる工夫が満載。サワラ板張りのお風呂で休日の昼間からゆっくりお風呂に入ってくつろぐこともあるのだそうです。

大きなカウンターとたっぷり収納が魅力のキッチン
大きなカウンターとたっぷり収納が魅力のキッチン

平屋×庭の、のびのび暮らし

広々としたA邸の庭は造園家の小林賢二さんによるデザイン。
庭のシンボルとなっている大きな石は、以前この土地に住んでいた方から引き継いだものなのだそうです。

「庭の工事は竣工後だったので、住みながら小林さんの仕事を間近で見ることができました。完成後も自分達で庭仕事を続けていると、元気な植物と元気がなくなっている植物が分かるようになってきて、知識も増えて愛着が湧きます」とご主人。

木塀は柱だけ相羽建設で施工し、板材はご夫妻で協力して設置されました。
あえて下は少し隙間を開けて、近所の小学校に通学する子どもの視線を遮らない工夫をしています。

「水鉢の水を鳥が飲みにくるのですが、その時に一度近くの小さな木にとまるんです。そこまで小林さんの中で構想があったのだとしたらすごいなと日々発見があります。隣の家の庭に植えてあるナンテンと同じ種類を隣地との境界に植えて庭のつながりを考えてくださったり、街と庭の関係も意識されていることが驚きです」と奥様。

雨が降って葉や石が濡れた庭も風情がある
雨が降って葉や石が濡れた庭も風情がある

外出時に防犯のため小屋裏の電気をつけていくと、帰ってきた時にぼんやりと灯りがついていて窓の障子が行燈のようだといいます。
『毎朝障子を開ける動作も好き』という奥様の言葉も印象的でした。

デッキでピクニックをしたり、小さな家庭菜園も楽しまれているA様。広い庭のある暮らしを満喫されています。

水色のタイルが可愛らしい洗面所 WICで家族の衣類収納を1箇所に集約
水色のタイルが可愛らしい洗面所 WICで家族の衣類収納を1箇所に集約
格子によって自然光が入り廊下も明るく
格子によって自然光が入り廊下も明るく

家づくりに際して、ご夫妻が考えたコンセプトは「源の拠り所」家族が集まってパワーを養える場所にしたいという想いが込められています。
子ども達も、木の家に『きっこちゃん』という名前をつけるほど愛着を持ってくれているのだとか。

家族の成長に寄り添いながら、家も一緒に変化していってほしいというA様ご夫妻。
これからも「平屋×庭」の、のびのびとした暮らしを楽しみ、育てていただけると嬉しいです。

デッキでは七輪でおつまみを焼いてお酒と一緒に楽しんだり、ピクニックをすることもあるそう
デッキでは七輪でおつまみを焼いてお酒と一緒に楽しんだり、ピクニックをすることもあるそう
窓際の小上がりも家族のお気に入り
窓際の小上がりも家族のお気に入り

設計・施工
相羽建設株式会社

担当
設計:中村健一郎
営業:新次郎
現場監督:麻生莉紗子
大工:本多忠勝
造園:小林賢二アトリエ
写真:伊藤夕歩
取材・編集:中村桃子

仕上
屋根:ガルバリウム鋼板
外壁:ジョリパッド
内壁:珪藻土クロス・さわら板・タイル
床:赤松材
天井:珪藻土クロス

敷地面積:205.71㎡(62.10坪)
延床面積:81.15㎡(24.50坪)

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