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しまだ設計室「つみきハウス」

木造一戸建て

しまだ設計室「つみきハウス」

積み上がった「箱」が暮らしを豊かにする

建物名:
しまだ設計室「つみきハウス」
場 所:
東京都練馬区
住い手:
K邸(夫婦+子1人)

Life

閑静な住宅街を歩いて行くと、すっと現れるグレーを基調にした落ち着いた佇まいの家。一見して「絶対、これだ」と確信するその形。少しずれたり、噛み合ったり。素材の異なる箱を積み重ねたような姿は、まるで大きな『つみき』のようです。

積み上がった「箱」が暮らしを豊かにする

 今回ご紹介するのは『つみきハウス』。しまだ設計室設計の住まいです。「敷地がコンパクトで角地のため斜線の条件が厳しく影響します。制限をクリアしながら利便性と豊かな空間、そして【建築家らしさ】を実現するため、つみきを積んだりずらしたりする要領で建物を構成しました」と語る島田さん。この【建築家らしさ】という言葉は、住まい手のK様ご家族との対話の中で印象に残ったものだそう。「うちの家、建築家が建てたんだよ、って言いたくて」と笑うK様。しかし当初は、島田さんのプランには手が届かないと感じていたため、全く別のプランからのスタートでした。そんな中、島田さんとの対話をきっかけに、家づくりはガラッと一変。色々な過程を経ながらも、その場にいた全員が「楽しかった」と笑顔で語るK様の家づくり。思い出や住まいの魅力を伺いました。

「想いをかたちにしたい」家族みんなで参加した家づくり

『箱』ごとに素材を切り替え、バルコニーのルーバーも細く、隙間を細かくすることで、
『つみき』らしさがより強調された外観。色味の統一感も絶妙です

 島田さんとは、実は奥様同士がお知り合いだったというK様。「こんな素敵な家が建てられたら」と思いながらも、当初は憧れでしかなかったそう。社宅を出る時期が近づき家づくりを考え始めた頃、島田さんの完成見学会へ。そこで担当の新と話をしたことをきっかけに、計画が具体的に動き出します。土地について「当初はあいばの規格住宅を考えていたので、新さんにも何軒か一緒に見てもらったのですが、アタラシチェックが厳しくて(笑)」とK様。なんと50軒近くも見学したそうです。

 土地が決まりいよいよ、というタイミングで偶然島田さんの自宅兼事務所の「カヅノキハウス」を訪れる機会があったそう。そこでの島田さんとの対話をきっかけに、「やっぱり自分達の想いを形にしたい」という気持ちがどんどん膨らんでいったといいます。家族でもう一度じっくり話し合い、新に相談したところ「K様のやりたいことに寄り添いたい」と背中を押され、急ピッチで島田さんとの家づくりが始まりました。 「島田さんのファーストプレゼンを聞いて、もう即決でした。私達の要望を的確に汲み取ってくれて」とK様。打ち合わせには家族みんなが積極的に参加。島田さんのつくる空間に似合う素材や色、建築パーツを自分達でも探そうと、日常の様々な場面にアンテナを張っていたそうです。家族のこだわりと、楽しみながら作り上げてきた時間。その積み重ねが、住まいの随所に息づいています。

2階リビングならではのゆとりある天井高。
小上がりの畳スペースも圧迫感なく心地よい空間に
2階は壁・天井ともに薩摩中霧島壁に。
差し込む光によって陰影が浮かび上がる刷毛引き仕上げが印象的です
太陽光発電は息子さんの意見を取り入れて設置

家を愛でる気持ちが、豊かな暮らしにつながる

 建築中、K様ご家族は何度も現場に足を運んでいたそうです。特に息子さんは一人でも通い、大工や監督とすっかり仲良くなるほどでした。「島田さん達は僕の意見も真剣に聞いてくれて、家づくりは本当に楽しかったです。自慢の家ですね」と息子さん。住み始めた今も、家の随所で建築中の時間を思い出し、より愛着が深まっているといいます。 自然素材の心地よさを日々感じながら、家のことを毎日話すというK様。掃除や片付けも「お家を愛でる気持ち」で行うようになり、そんな日常が、お金では買えない豊かさにつながっていると感じているといいます。これからの暮らしについて「今日みたいに、みんなが集まって楽しく過ごせる家であり続けたいですね」と笑顔のK様ご家族。この住まいの中で、家族の時間や人とのつながりが『つみき』のように重なっていく。そんなこれからの暮らしが楽しみです。

「料理を家族で楽しめるキッチン」が当初のご要望。
2人並んでも余裕のある広さと、オープンに置かれた素敵なキッチンツール達が空間の雰囲気をより豊かにしています
リビングからつながるバルコニー。
囲われたつくりでこもり感のある空間に。
フレームは大きなものの外干しにも重宝しています
キッチン奥のワークスペースは家族全員が仕事や勉強に利用。
デスク前の窓から光が入り、
気持ちよく作業できる場所です
洗面室には天井埋込のエアコンを設置。
1階はこの1台で冷暖房をまかないます。
1階全体はクロス仕上ですっきりとした印象です
見学会で見て以来、
「木のお風呂は絶対に入れよう」と思ったというK様。
ご主人が選んだシンプルなシャワー水栓も◎

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【ルームツアー】「つみきハウス」の暮らし(延床24坪・多摩産材)|しまだ設計室×相羽建設

「つみきハウス」の住まいと暮らしを、しまだ設計室の島田貴史さんと訪ねました。 敷地は、南西2つの道路に接する角地で、更に西側に伸びる道路が開放感を与えています。一方、敷地がコンパクトであるがゆえ、北側斜線、道路斜線などの条件が厳しく影響してきます。 厳しい高さ条件をクリアしながら、利便性、豊かな空間、建築家らしさの実現のため、「つみき」を積み上げたり、ずらしたりする要領で検討を重ねて建物が構成されました。積み上がった箱が暮らしを豊かにする……そんなお家になればと名づけられた「つみきハウス」。 建て主のKさんご家族の暮らしぶりを、動画で一緒にご覧ください。

建築概要
敷地面積:78.72㎡(23.81坪)
延床面積:77.99㎡(23.59坪)
仕上げ:屋根/ガルバリウム鋼鈑
外壁/ガルバリウム鋼鈑・杉板
床/パイン(1F)・赤松(2F)
内壁/エコフリース(1F)、薩摩中霧島壁(2F)
設計:しまだ設計室 島田貴史
施工:相羽建設株式会社
営業:新次郎
棟梁:徳武義訓
大工:佐久間實
写真:伊藤夕歩・吉川碧・猪股恵利子
編集:中村桃子

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