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家具デザイナー小泉誠さん設計の木の家

木造一戸建て

家具デザイナー小泉誠さん設計の木の家

陽と緑に親しむ住まい

建物名:
家具デザイナー小泉誠さん設計の木の家
場 所:
東京都
住い手:
A邸(夫婦)

Life

今回ご紹介するのは、25年間暮らしたマンションを離れ、終の住処を新築したA邸。石のアプローチを進むと、まるで絵本の中のような草花の豊かな庭が広がります。

みんなが集まる2階LDK

穏やかな陽の光に包まれる2階LDK
住宅密集地のため南西の角に障子張りのハイサイドライトを設置

 これまで子どもたちの成長やライフステージの変化の中で様々な工夫をして暮らしてきたというA様。その延長に新たな家づくりがあったと振り返ります。「今まではリビングが少し手狭だったので、94歳になるお義母さんや、娘や息子家族、みんなが集まれる大きな空間になったらいいなと考えていました」と奥様。2階に広がるLDKは間仕切りが無く、みんなで食卓を囲むことはもちろん、思いおもいに過ごしていても家族の存在を感じられるあたたかな空間です。 設計は、家具デザイナーの小泉誠さん。昼間は陽の光をたっぷり採り込み、夜は限られた灯りで心穏やかに過ごせるA邸。窓の工夫と照明計画も、魅力の一つです。その中でも特徴的なのが、南西向きのハイサイドライト。日没までの時間、障子を通して柔らかな自然光を採り込むことで、昼夜のリズムに寄り添った、心地よい居場所となっています。

間仕切りのない大きなLDK
ソファー代わりの窓ベンチがお気に入り
収納豊富なキッチン
デッキの植物をみながら料理をすることも
階段横の個室は奥様がミシンなどの作業をする部屋
ブラインドに映る植物たちが可愛らしい

奥様が大切にしている200鉢を超える植物たちを、暮らしの中で身近に感じられるようにつくられたデッキもまたA邸の見どころです。「デッキは部屋の延長として、行ったり来たりしながら植物を愛でています。日常の一部ですね」と奥様。ダイニングやリビング、階段横の個室でミシンや編み物をして過ごすこともあるのだとか。新しい家での暮らしを満喫している様子が伝わってきました。

南向きのデッキは奥様が育てる植物の居場所

快適に過ごせる終の住処

 新居での暮らしの変化を伺うと、よく眠れること・温度変化が少ないことを挙げてくださったご夫妻。車通りの少ない敷地であるものの、家の遮音性の高さから「静かでびっくりしています」と奥様。ご主人は「断熱・気密性能が良いから上下階の温度差もほとんどありません」と語ります。夫婦の寝室はそれぞれ1階に計画。部屋を分ける事で、好みの温度と暗さで、快適に就寝していると言います。クーラーの冷風が苦手という奥様は、取材をした7月初旬、通気口のある防犯シャッターを閉めたまま窓を開ける事で、クーラー無しで過ごされていました。 奥様は、現場を担当した大工さんの仕事ぶりについても高く評価されています。特に印象的なエピソードとしてお話ししてくださったのが床板の木目の配慮です。板を貼る際に木目一つひとつを確認し、「個性の少ないものを玄関側」、「木目の目立つものは奥まった見えづらい分部分に配する」というように、細やかな心遣いと職人技が、A邸の空間の完成度を引き立てています。  

ご主人の書斎と寝床
奥様の寝室と洗濯物を干すデッキ
家族が泊まりにきた時など多目的に使う部屋
窓と一体化した棚は仏壇
1階のトイレは玄関・洗面と共に壁を斜めにすることで
余分なスペースを削減し、互いの空間に余裕を持たせた

夫婦の居場所であり、お母さんや、息子さん、娘さん家族が集まるA邸は植物や裁縫、お料理など、家族で手をかけながら楽しむ、暮らしの箱となっています。寝室やリビングなど、あらゆる場所に奥様が裁縫で手づくりしたものがあり、中には息子さんと娘さんの小さい頃の服を繋ぎ合わせたキルトも。奥様が綻びを直しながら大切に使ってきたと言います。 取材時も遊びにきていた娘さんとお孫さんとの和気藹々とした様子を拝見し、この家で暮らしを楽しむ夫妻のエピソードをお聞きする中で、あたたかく、嬉しい気持ちになりました。これからもこの木の家で、ご夫妻らしい工夫と、日々の小さなお手入れを楽しみながら、素敵な暮らしを重ねていかれることでしょう。

コンパクトなスペースに豊かな草花が茂るA邸の庭
蛇籠の壁と豊かな緑がよく馴染むアプローチ
Koizumi Studioのスタッフによって設置された蛇籠
季節の移ろいを楽しむ庭でお孫さんとブルーベリーを収穫

建築概要
木造住宅2階建て
敷地面積:117.58㎡(35.5坪)
延床面積:80.56㎡(24.36坪)
仕様
屋根:ガルバリウム鋼板
外壁:シン・ネオスパンFU
床:アカマツ(登米町森林組合)・床暖房用フローリング
内壁:天井:月桃紙・ビニールクロス・タイル
設備
エアコン・床暖房
設計
小泉誠+Koizumi Stusio 田村正敏
担当
設計サポート:松本翔平
監督:渡邉拓也
大工:徳武義訓
造園
小林賢二アトリエ
照明計画
株式会社たけでん
写真
Nacása & Partners Inc. ・Koizumi Studio
取材・編集:中村桃子

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